さてウタ編に続いては、楽器演奏によるインストルメンタル編です。
まずは、この名曲を作ったモンク自身の訥々としたピアノ・スタイルから。
かつてマイルス・デヴィスがセロニアス・モンクとのスタジオ録音をいやがったため、モンクが退席したという有名な喧嘩セッションの逸話が残されていますが、確かにリズム楽器としてのピアノをこんな風に弾かれたら、リード楽器の奏者はズッコケるかも知れませんね。
でも余人に替えがたいこの“オフ・ビート感”が究極のモンク味です。
セロニアス・モンク
Thelonious Monk
⇒リンク
この曲は、多くの資料ではモンクとクーティ・ウィリアムズの共作ということになっています。
クーティといえばエリントン楽団の看板トランペッターだった人で、資料によればどうやら「ラウンド・ミッドナイト」を1944年に初録音したのがクーティのグループだったとか。共作となったのは、その際に原曲を改変して共作となった説と、当時は先輩アーティストが録音するときには、敬意を表して共作扱にする習慣があったためという共作説などがありますが、わがブログでは
その説が納得できないので、クーティの共作とは書きませんでした。このモンクのプレイを聴けば、
モンクが他の人と共作するなんて、あるいはモンクが他人が改変したメロディを了解するなんて想像できないからです。
古くはフォスターの昔から、多くの才能ある音楽家はだまされて他人に著作権を横取りされるようなケースが多いありました。
クーティがそうだという確証もありませんが、ここではモンクに敬意を表してモンクだけの作曲にしておきたいと思います。
そういえばボクは、1982年の2月のある日、モンクが死んだことをラジオで聞いた日のことも思い出します。
次は、マイルス・デヴィス。かれの傑作中の傑作アルバム『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』1曲目に収録されています。(これが録音された1956年当時は、「アバウト」が付いて表記されています)
ちなみにこのアルバムは、マイルスがCBS専属アーティストとなった最初のアルバムだそうです。
この映像は、かなり後の1967年ストックホルムでの演奏とのこと。
Miles Davis Quintet (Wayne Shorter Herbie Hancock , Ron Carter , Tony Williams) Stockholm,1967
⇒リンク
前回の<ウタ編>でご紹介したボビー・マクファーリンのヴォーカリーズは、マイルスのミュート・トランペットを模したものだと思いますよね、これを聴くと。
さて楽器編の3人目は、ギターのウェス・モンゴメリー。43歳という若さで亡くなったのが惜しいです。
Wes Montgomery 1965
⇒リンク
最後は、ピアノでビ・バップ・スタイルを確立したバド・パウエルの演奏です。
注目すべきはベース奏者、ペデルセン(フル・ネームは、ニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセン)がトリオの一員であることです。
過去ブログで、ピアノ+ギター+ベースのピアノ・トリオ形式の創始者はナット・キング・コールで、ピアノ+ベース+ドラムスのピアノ・トリオは、バド・パウエルが始めたのが定説ですと述べました。
そのお手本みたいな演奏です。フル再生だとちょっと長いですが。
Bud Powell with Niels-Henning Orsted Pedersen
⇒リンク
このライブの場所は分かりませんが、資料によればペデルセンは1962年にでバド・パウエルと演奏しているとのことなので、その頃だとするとパリ(バド・パウエルは5年程パリに住んでいた)かペデルセンの地元デンマーク、またはスウェーデンの『ゴールデン・サークル』かも?(バドは1962年春に同所に出演したと記録にあります)
(だとすると、ペデルセンは16歳!ということになりますね。ビックリです。)
モンク風味を加えながら、いかにも手馴れたバド・パウエルの演奏シーンに思わず興奮しました。1966年に亡くなっているだけに、“動くバド”なんて超貴重映像です。
モンク、マイルス、ウェス、バド。みんな故人となりました。
ジャズに名演あり。合掌。
まずは、この名曲を作ったモンク自身の訥々としたピアノ・スタイルから。
かつてマイルス・デヴィスがセロニアス・モンクとのスタジオ録音をいやがったため、モンクが退席したという有名な喧嘩セッションの逸話が残されていますが、確かにリズム楽器としてのピアノをこんな風に弾かれたら、リード楽器の奏者はズッコケるかも知れませんね。
でも余人に替えがたいこの“オフ・ビート感”が究極のモンク味です。
セロニアス・モンク
Thelonious Monk
⇒リンク
この曲は、多くの資料ではモンクとクーティ・ウィリアムズの共作ということになっています。
クーティといえばエリントン楽団の看板トランペッターだった人で、資料によればどうやら「ラウンド・ミッドナイト」を1944年に初録音したのがクーティのグループだったとか。共作となったのは、その際に原曲を改変して共作となった説と、当時は先輩アーティストが録音するときには、敬意を表して共作扱にする習慣があったためという共作説などがありますが、わがブログでは
その説が納得できないので、クーティの共作とは書きませんでした。このモンクのプレイを聴けば、
モンクが他の人と共作するなんて、あるいはモンクが他人が改変したメロディを了解するなんて想像できないからです。
古くはフォスターの昔から、多くの才能ある音楽家はだまされて他人に著作権を横取りされるようなケースが多いありました。
クーティがそうだという確証もありませんが、ここではモンクに敬意を表してモンクだけの作曲にしておきたいと思います。
そういえばボクは、1982年の2月のある日、モンクが死んだことをラジオで聞いた日のことも思い出します。
次は、マイルス・デヴィス。かれの傑作中の傑作アルバム『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』1曲目に収録されています。(これが録音された1956年当時は、「アバウト」が付いて表記されています)
ちなみにこのアルバムは、マイルスがCBS専属アーティストとなった最初のアルバムだそうです。
この映像は、かなり後の1967年ストックホルムでの演奏とのこと。
Miles Davis Quintet (Wayne Shorter Herbie Hancock , Ron Carter , Tony Williams) Stockholm,1967
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前回の<ウタ編>でご紹介したボビー・マクファーリンのヴォーカリーズは、マイルスのミュート・トランペットを模したものだと思いますよね、これを聴くと。
さて楽器編の3人目は、ギターのウェス・モンゴメリー。43歳という若さで亡くなったのが惜しいです。
Wes Montgomery 1965
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最後は、ピアノでビ・バップ・スタイルを確立したバド・パウエルの演奏です。
注目すべきはベース奏者、ペデルセン(フル・ネームは、ニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセン)がトリオの一員であることです。
過去ブログで、ピアノ+ギター+ベースのピアノ・トリオ形式の創始者はナット・キング・コールで、ピアノ+ベース+ドラムスのピアノ・トリオは、バド・パウエルが始めたのが定説ですと述べました。
そのお手本みたいな演奏です。フル再生だとちょっと長いですが。
Bud Powell with Niels-Henning Orsted Pedersen
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このライブの場所は分かりませんが、資料によればペデルセンは1962年にでバド・パウエルと演奏しているとのことなので、その頃だとするとパリ(バド・パウエルは5年程パリに住んでいた)かペデルセンの地元デンマーク、またはスウェーデンの『ゴールデン・サークル』かも?(バドは1962年春に同所に出演したと記録にあります)
(だとすると、ペデルセンは16歳!ということになりますね。ビックリです。)
モンク風味を加えながら、いかにも手馴れたバド・パウエルの演奏シーンに思わず興奮しました。1966年に亡くなっているだけに、“動くバド”なんて超貴重映像です。
モンク、マイルス、ウェス、バド。みんな故人となりました。
ジャズに名演あり。合掌。