なんと!マイ・ブログに“ウディ・アレンの映画音楽”をリクエストいただきました。

ボクが観たいくつかのウディ・アレン映画の中で、音楽も内容も一番深く心に残っている映画は『ギター弾きの恋(原題:Sweet and Lowdown)』です。

♪blowin’ in the music映画『ギター弾きの恋』パンフレット(マイ・コレクション)

言語障害をもつ娘(サマンサ・モートン)のけなげな姿と、今回のアカデミー賞主演男優賞を受賞したショーン・ペンのギタリスト役が素晴らしく、彼が憧れている(という設定の)ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトへのオマージュが伝わってきました。

映画のオープニングを飾る曲は、ジャンゴの「When Day Is Done」です。

こんな曲です。When Day Is Done / Django Reinhardt with Stephane Grappelli



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ジャンゴ・ラインハルトはベルギー生まれですが、ジプシー(最近は差別用語だそうで、ロマ族というそうです)の血を受けたギタリスト。

子供のときのやけどで左指の小指と薬指が使えないというハンディを乗り越えて、独自の奏法を開発しました。努力の人です。

この映画の主人公(ストーリーはフィクションなのですが、実在の音楽評論家が出演したりするので、観ている内にノンフィクションじゃないかとウディ・マジックに引っかかってしまいました)
二人の設定は、フェリーニの『道(ジェルソミーナ)』のジュリエッタ・マシーナとアンソニー・クインを彷彿とさせたり、観ていてニンマリする場面が多くありました。

この映画が日本で公開されたのは、もう10年も前のことです。

YouTubeにジャンゴと朋友ステファン・グラッペリ(ジャズ・ヴァイオリンのパイオニア)が実際に演奏している貴重な映像がアップされています。
ジャンゴの左指の動きにご注目あれ。

Hot Jazz of France Django & Stephane

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(この動画ではYouTubeでのタイトル表示がDjangologyとなっていますが、正しくはシャンソンのJ'attendrai<邦題;待ちましょう>です。リナ・ケッティやティノ・ロッシで世界中で知られる名曲です。ご注意ください。)

ちなみにジャンゴ・ラインハルトの曲ばかりを映画に使った監督がいます。前回ご紹介した『死刑台のエレベーター』でデビューしたルイ・マルです。

自身の12作目の映画『ルシアンの青春』でルイ・マルは映画のテーマと関連づけるためにナチス占領下のパリで録音されたジャンゴの音源を多く選んだそうです。

その映画のオープニングでも使われたジャンゴの代表曲“Minor Swing”(予告編ありましたが、ちょっと困ったシーンがありますので静止画だけのヴァージョンを選びました)を聴いてください。

(ジャンゴの演奏のみ)


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*トム・ヤンクンさん、いかがですか。この映画、ご覧になりましたか?