最近は、映画評論家の故・淀川長治さんのような熱心な解説者が不在のせいか、テレビでの映画放送も低調になりました。

思えば『日曜洋画劇場』のエンディング、淀長さんの解説の後のテーマ音楽はいまも耳に残っています。
その曲はオーケストラの演奏で「ソー・イン・ラブ」。演奏は、モートン・グールド楽団だそうです。

この曲を作ったのは、アメリカの代表的作曲家の一人、コール・ポーターです。わが敬愛する音楽家の一人です。
4年ほど前に公開された彼の自伝的映画『De-Lovely(邦題:五線譜のラブレター)』には本当にしびれました。サントラを愛聴しまくった後、発売されたDVDも買いました。先日はテレビでも放映していましたね。
♪blowin’ in the music 『五線譜のラブレター』サントラCD

コール・ポーターの名曲は数多しといえ、今日はその映画のハイライトシーンに流れる「ソー・イン・ラブ」を・・・。

So In Love - Lara Fabian & Mario Frangoulis
from the movie De-Lovely




 ⇒リンク

この曲を劇中の舞台でデュエットしているのは、ベルギー出身のララ・ファビアンとギリシャ出身のマリオ・フラングーリスです。(このシーンでは、コール・ポーター役のケヴィン・クラインと妻役のアシュレイ・ジャドのデュエットと舞台のデュエットのダブルになっています)

なによりもメロディの展開がすばらしいと思います。「ナイト・アンド・デイ」や「ビギン・ザ・ビギン」と並ぶ名曲の一つ。個々人の趣味の問題でしょうが・・・。

この曲は、1948年の大ヒットミュージカル『キス・ミー・ケイト』のために作られました。ミュージカルは1000回を超えましたが、このミュージカルのメイン曲は「ブンダバー」という明るいワルツ曲で、「ソー・イン・ラブ」は大きくフューチャーされた曲ではなかったみたいです(あくまで推測ですが)。
実はオリジナル・キャスト盤を買って聴いていますが、デュエットで歌われたのではなく、主演のアルフレッド・ブレイクとパトリシア・モリソンがそれぞれ別々に歌ったヴァージョンが2曲分収録されています。

これがOC盤のジャケット写真です。


♪blowin’ in the music 『キス・ミー・ケイト』オリジナル・キャスト盤


♪blowin’ in the music ⇒当時のステージ写真

解説書に当時のステージ写真↑が載っています。映画『五線譜のラブレター』でも同じような衣装(なんだかトランプのキング、クイーンみたいですね!)ですから、オリジナル・ミュージカルを踏襲したのでしょう。

『五線譜・・』はすべてのシーンがゴージャズな作りです。実際の映画のなかで、ダイアナ・クラール、アラニス・モリセット、シェリル・クロウ、ナタリー・コールなどが歌手として登場し、コール・ポーターの曲を歌っています。それを観るだけでも超お値打ちの映画です。

ところで淀川さんの『日曜洋画劇場』のエンディングで、テーマ「ソー・イン・ラブ/モートン・グールド楽団」がタイトルバックに流れる映像をYouTubeから見つけました。
↓この動画のスタートから5分22秒のところから約1分くらいですが、スタートからそれまでぜひガマンしてぜひごらんください。

5:22-so in love
ending theme 日曜洋画劇場




 ⇒リンク
コール・ポーターの名曲の数々は、また別の機会にでも・・・。