ダイアナ・クラールがコンサートのおしゃべりで、尊敬するアーティストに同じカナダ出身のジョニ・ミッチェルをあげていました。

多くのカナダ出身のアーティストにとって、ジョニは憧れの人のようです。

また彼女は音楽だけではなく絵の才能にも優れ、自分の何枚かのアルバム・ジャケットを自分の絵で飾っています。

今日の1曲は、そのジョニ・ミッチェルが作詞・作曲した'Both Sides Now'です。「青春の光と影」という名邦題が光りますね。

本人の映像がYouTubeにあります。


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歌詞はおとぎ話のような可愛いアイテムがたくさん登場します。

♪たなびく天使の髪、空に浮かぶアイスクリームのお城、・・

まるで「マイ・フェヴァリット・シングス」(サウンド・オブ・ミュージック)を思わせます。

歌詞として「Both Sides(両面)」がでてくる箇所は、こんな内容です。
♪私は雲を上と下の二つの面から眺める
♪私は恋を二つの面から見ていた。与えるほうと、受け取るほうと。
♪私は人生を二つの面から見ていた。勝者の面からと、敗者の面からと
人生のことは私には少しもわからない。

それにしてもこの歌詞から「青春に光と影」と名づけた人のセンスのよさを思います。
この邦題が日本におけるこの曲の知名度と印象に大いに貢献しているのではないでしょうか。

この曲を最初に歌ってヒットさせたのは、同世代人のシンガー・ソングライターのジュディ・コリンズでした。
1968年にベスト10に入ったそうです。

ジュディのヴァージョンもご覧ください。


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“碧い目のジュディ”も同時代のアーティスト達のアイドル的存在として一世を風靡しました。

【その他の名演】ボクが一番好きなヴァージョンは、アカペラ・コーラス・グループのザ・シンガーズ・アンリミテッドによるものです。


♪blowin’ in the music 「アカペラ」のジャケット

このアルバムの1曲目に入っていた「青春の光と影」を聴いて、かつてない感銘を受けました。これは1972年、ドイツのレーベルMPSにおける彼らのデビュー・アルバム「アカペラ」です。
その後1980年ごろまでレコーディング活動のみを行っていましたが、多重録音を旨とするグループだけに、(ヨーロッパでのテレビ出演の際にホンの数回口パクで歌った以外は)一度も公演をしなかったそうです。残念でなりません。


♪blowin’ in the music ザ・シンガーズ・アンリミテッド
(残念ながら、YouTubeにも「青春の光と影」はアップされていませんでした。)

シンガーズ・アンリミテッドは、ハイローズのリーダーだったジーン・ピュアリングが結成したグループです。50年代からオープン・ハーモニーのフォア・フレッシュメンのライバルだったクローズド・ハーモニーの名グループでした。シンガーズ・アンリミテッドについては、また別の曲の機会にでも・・。