カーペンターズがA&Mレコードからデビューした最初の曲は、ビートルズの「涙の乗車券(Ticket To Ride)」です。ご存知ビートルズのカバーでした。
で、実際にブレイクしたのは、このセカンド・アルバムです。名曲「愛のプレリュード(We've Only Just Begun)」が1曲目に入っています。




この曲を作ったのは、ポール・ウィリアムズとロジャー・ニコルズの二人です。
歌詞はこんな内容の“新婚ソング”~私たちは始まったばかり~というもの。
 
二人の人生は今始まったばかり
白いレースと誓いの言葉
願いを込めたキスを交わし
二人は旅立つ
二人の人生は始まったばかり(中略)

新しい地平線を分かち合い
道の標識に気を配り
二人だけで語り合いながら
一日一日を一緒に進んでゆく・・・


The Carpenters - We've Only Just Begun 愛のプレリュード


(⇒リンク)

ポール・ウィリアムズは、自身でもソロ・アルバムを発表しています。

ポール・ウィリアムズ

一方ロジャー・ニコルスはといえば、自身のユニット「Small Circle Of Friend」で名盤を残しています。が、正等に評価されたのは、ソフト・ロックの名盤として紹介された90年代に入ってからかもしれません。


 ロジャ・ニコの名盤のジャケット

彼らは70年ごろの『嵐のロック旋風』のなかで、優しい、心温まるいい曲を書いています。
ジェイムス・テイラーやキャロル・キングが、シンガーソングライターとして登場してきたのと時期を同じにしています。

カーペンターズは、そんな時代にいいメロディと心温まる歌詞、それに加えてカレンのあの心に沁みるステキな歌声が聴く人たちの心をつかみました。

ポール&ロジャーによるもう一つの代表曲は「雨の日と月曜日は」です。

The Carpenters - Rainy Days And Mondays 雨の日と月曜日は


(⇒リンク)

ひとり言をいいながら
年をとったなと思っている
ときどき私はやめたくなる

なにひとつ上手くいきそうになく
やることもなく ただダラダラと
雨の日と月曜日は 私を疲れさせる

こんな内容です。思い当たるフシありです。

ところでカーペンターズは日本での発売シングル「遥かなる影(Close To You)」も「愛のプレリュード」も当時はあまりシングルとしてはヒットしなかったそうです。
今となってはにわかに信じがたいですよね。

 こんなショットもありました

ちなみにポール・ウィリアムズは、こんないい曲を作っています。これはスリー・ドッグ・ナイトという黒人・白人混成バンドでヒットしましたが、YouTubeに本人の歌唱がアップされています。写真は静止画ですが、アレンジがオールド・ファッションでステキです。

Paul Williams - Just An Old Fashioned Love Song


(⇒リンク)

日本でのカーペンターズは、その後の「スーパースター」から火が付いたと近刊本「ヒットこそすべて/朝妻一郎」(白夜書房)に記述がありました。

*次回は、その曲の作家でありアーティストでもあるレオン・ラッセルについてです。