ロバータ・フラック
ロバータ・フラックのファースト・アルバム「FIRST TAKE」に収録されている「The First Time Ever I Saw Your Face(邦題)愛は面影の中に」は素晴らしい曲であり、歌唱です。これが収録されているアルバムです。


これが↓本人の映像です。



1970年ごろの音楽シーンは、ウッドストックやニュー・ロック、クロスオーバー(後のフュージョン)さらにはニュー・ソウルと時代の変革を象徴するように激動していました。
その中にあって、ゆったりと自分のペースで歌い綴るロバータ・フラックに心癒された人が多かったようですね。

といっても発売当初からヒットしたわけではありません。発売から3年後の1972年に、映画「恐怖のメロディ」に使われたのがきっかけとなり、全米1位の大ヒットを記録します。

私の参考書「ビルボードNO.1ヒット」には、クリント・イーストウッドが自分の第一回監督作品「Play Misty For Me(邦題)恐怖のメロディ」にこの曲をぜひ使いたいと直接ロバータ・フラックに電話したと書いてあります。
さらに「映画を観た人たちは、そのままレコード店に直行した」とも。それほど印象深い使われ方だったのです。

YouTubeには、その映画で「愛は面影の中に」が使われたシーンがアップされています。まるでこの曲のためのミュージック・ビデオのように美しいシーンです。



ちょうどクリント・イーストウッドは「ダーティ・ハリー」が大ヒット、“make my day”が流行り言葉になるくらい昇り調子でもありました。
ちなみにこの映画は原題が示すようにエロール・ガーナーの名曲「ミスティ」の使われ方がストーリーのキーになるサスペンスものだそうです。

 映画「恐怖のメロディ」

ちなみにクリント・イーストウッドのジャズ好きは有名で、チャーリー・パーカーの伝記映画を監督したり、映画「マディソン郡の橋」でも自分で作曲した曲をテーマに使っているほどの音楽好き。このサントラはマイ・コレクションです。(なかではダイナ・ワシントンやジョニー・ハートマンの歌などをたくさん使っています)

「マジソン郡の橋」サントラです

ところで「愛は面影の中に」は、ロバータ・フラックの作詞でも作曲でもありません。スコットランド生まれののフォーク・シンガーで研究家、イワン・マッコールが作った曲です。
ちなみに「やさしく歌って」もロバータの作った曲ではありません。作る人と歌う人の心が一致すれば、そこに名曲が生まれるのだと思います。

*次回はこの名曲「やさしく歌って」のいきさつと、「やさしく歌って」を90年代に蘇らせたヒップ・ホップのローリン・ヒル(フージズ)のネタに移ります。

【おまけです】
この「愛は面影の中に」をレオナ・ルイス(北京五輪閉会式でジミー・ページと共演したイギリスの新星)が見事に歌っている映像がYouTubeにありました。
オーディション番組での歌唱のようですが、あまりにスゴイので、ここにアップしました。興味のあるかたはぜひどうぞ・・・。

Leona Lewis -The First Time...



この写真を使ったファースト・アルバムが大評価を受けています。私も買っています。素晴らしいです。