ロバータとダニー

1970年ごろに新しい時代を象徴するアーティストがたくさん登場しましたが、ロバータ・フラックとダニー・ハザウェイもそのような一連の動き中で注目を集めたニュー・ソウルの旗手でした。

上の写真は、二人の美しいデュエット・アルバムの見開きスリーヴに載っているトゥー・ショットです。
ジャケットは、これ↓です。
 美しいデュエット・アルバム
1972年に発売されたこのアルバムには、こんなカバー曲が収録されています。

アイ(トム・ジョーンズが歌ったスローなナンバー)
きみの友達(キャロル・キング作。ジェイムス・テイラーでおなじみ)
ふられた気持ち(ライチャス・ブラザーズの大ヒット)

このアルバムに収録されていた「Where Is The Love(邦題)恋人は何処に」も二人のデュエット曲として大ヒットします。軽快で楽しい気分になる大好きな曲です。ただダニーの最後のことを思うと、かえって辛い気持ちになりますが。

YouTubeのこの映像は動画ではありませんが、ジャケット写真などを見ながら懐かしく聴いてください。



彼らがいままでの黒人アーティストと違う点は、白人との対立関係としてではなく、黒人としての新しい普遍的な道を進もうという姿勢が二人に共通しているところでしょうか。
さきほど紹介したように、アルバムの収録曲に白人作家や白人アーティストの曲をカバーしていることで、いままでの黒人アーティストとは違った価値観や姿勢を持っていることが分かります。

またダニー・ハザウェイの「LIVE」アルバムも素晴らしく、世界的にかれの人気と評価を決定づけます。

 ダニー・ハザウェイ/ライヴ



ロバータとダニーのデュエットはその後も続き、「The Closer I Get To You(私の気持ち)」がヒットしたのが1978年のことでした。その翌年の1979年1月,、ダニー・ハザウェイはニューヨークにて飛び降り自殺をします。33歳の若さでした。

したがって、↓このミュージック・ビデオには、ダニー・ハザウェイは登場しません。ロバータ・フラックだけが出演しています。


*次回は、ロバータ・フラックの最初のヒット曲「愛は面影の中に」にきっかけを与えたクリント・イーストウッドとのいきさつを中心に。