
本題に入る前にセリーヌさん最大のヒットに触れないわけにはいきません。「タイタニック」の主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」です。
ちなみにこの曲はデヴィッド・フォスターは関与していません。とてもシンプルで覚えやすい曲です。英語の歌詞も分かりやすいことが世界で通用する条件の一つなんでしょうね。
ところでセリーヌ・ディオンがピーボ・ブライソンと歌ったディズニー・アニメ映画「美女と野獣」のテーマ曲について。
これはアラン・メンケン(作曲)とハワード・アシュマン(作詞)によるもので、「リトル・マーメード」以来のディズニー・アニメの音楽コンビです。
イラストもとても素晴らしい。それになにより曲が素晴らしい。セリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンのデュエットも本当に素晴らしいものでした。

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⇒「美女と野獣」セリーヌとピーボによる主題歌のデュエット
このディズニー・アニメ映画は、1992年に公開されて世界中で大ヒットしました。もちろん主題歌も大ヒット、セリーヌの名前が世界に轟いたのもこの曲のおかげでしょうね。
そしてこの映画の成功には、大きな「おまけ」がつきました。ディズニー・プロが、この「美女と野獣」で本格的にブロードウェイ・ミュージカルに進出することを決めたのです。

それまでのブロードウェイ・ミュージカルを席巻していたのは、『ロンドン・ミュージカル旋風』でした。アンドリュー・ロイド・ウェーバーは「ジーザス・クライスト・スーパースター」をきっかけに、「キャッツ」、「エヴィータ」、「オペラ座の怪人」など人気作品が目白押しで、かつ同じくイギリスのミュージカル・プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュが制作する「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」などがロング・ラン公演で長く成功をおさめていました。
とりわけ「キャッツ」の始まった1981年からの10年間は、本家『ブロードウェイ・ミュージカル』の影が薄い時代が続いていました。
その中にあってディズニー・ミュージカル「美女と野獣」の成功は、それまでポルノ街だった42番街を生き返らせ、新しいミュージカル街にリニューアルすることにつながりました。
42番街の再開発には、当時のジュリアーニ市長も一役かったそうです。
このアニメ映画の主題歌でセリーヌと一緒に歌っているのが、ピーボ・ブライソンです。この人はやたら女性とのデュエット曲が多いのですが、男性にしてはキーが高いのがお呼びがかかる理由でしょう。どうやら普通の男性の帯域より、5度~6度は高いようです。


ちなみに次のディズニー・アニメ映画「アラジン」のテーマ、「A Whole New Wordl」もピーボ・ブライソンがレジーナ・ベルとデュエットしています。
最近まで知りませんでしたが、2年前にはこの曲を倖田來未ともレコーディングしたそうです。
ミュージカルのほうでは、次にディズニーはニュー・アムステルダム劇場というミュージカル専門劇場をスタートさせて「ライオン・キング」を上演します。ジュリー・テイモアの奇跡のような演出によって、ブロードウェイ史上5番目のロングランとなったことはご存知の通りです。
ちなみに日本では、ロンドン・ミュージカルもディズニー・ミュージカルもともに劇団四季の独占状態です。
*次回は、ピーボ・ブライソンと名曲「Tonight I Celebrate My Love」をデュエットしたロバータ・フラックの登場です。