ロビー・ウィリアムズです

ディズニー・アニメ映画「ファインディング・ニモ」のエンディング・テーマに使われたのが、ロビー・ウィリアムズが歌った「ビヨンド・ザ・シー」でした。

数年前のことです。その曲が都内某FM局から流れてきたとき、私はかつて愛聴していたボビー・ダーリンの「ビヨンド・ザ・シー」だと勘違いして、なぜ、今頃になってボビー・ダーリンの歌が・・・???とビックリしたのです。

でもこの2つの「ビヨンド・ザ・シー」を聴き比べてみてください。アレンジもノリも歌い方もソックリでしょ?

2001年のRobbie Williams "Beyond The Sea"



1960年のBobby Darin "Beyoud The Sea"(映像はボビー・ダーリンの静止画集です)



このトラックが収録されているのがアルバム「THAT'S ALL」↓です。(愛聴しすぎてジャケットがボロボロ(^^;) です)

ボビー・ダーリンのアルバム

ジャック・ローレンスが英語詞を書き、リチャード・ウェスが編曲したビッグ・バンド・サウンドによるボビー・ダーリンの「ビヨンド・ザ・シー」は、1960年にアメリカのみならず、イギリスでも大ヒットしています。それから40年の歳月を経て、ロビー・ウィリアムズはボビー・ヴァージョンの完コピをしたのでした。

でも、この曲はどこかで聴いた人も多いでしょうね。

元はといえば、「ビヨンド・ザ・シー」はフランスはシャンソン界の大御所シャルル・トレネが自作・自演して第二次大戦直後にヒットさせた「ラ・メール」の英語ヴァージョンなのですから。

YouTubeに貴重なトレネが歌う「ラ・メール」の動画がありました。



(なんと気品ある歌い方なのでしょうか!)

そうです、この「ビヨンド・ザ・シー」がヒットした経緯は以前このブログで紹介(⇒参照)したように、フレンチ・ポップス「コム・ダビチュード」にポール・アンカが英語詞をつけて、フランク・シナトラに捧げてヒットさせた「マイ・ウェイ」と同じパターンなんですよ。

いえいえ、逆ですね。「ラ・メール」の英語詞を「ビヨンド・ザ・シー」と名づけてアメリカの歌手、ボビー・ダーリンが歌ってヒットさせた方が「マイ・ウェイ」より10年ほど古い話なのです。だから「マイ・ウェイ」が「ビヨンド・ザ・シー」のマネをした、といえるかもしれませんね。

ところで、この「ビヨンド・ザ・シー」をタイトルにした映画、それもボビー・ダーリンの伝記映画を作った俳優さんがいます。

*次回は、その映画を製作・監督、そして主人公を演じたケヴィン・スペイシーとボビー・ダーリンの話です。