さよなら、ゲンスブール。

彼が亡くなった日、「リベラシオン」紙は12ページの特集を組み、他の雑誌・新聞も10ページ前後の特集を組んだといいます。
ミッテラン大統領が「セルジュ・ゲンスブールは、ジャンソンをひとつの時代の感性を証言する芸術としての域まで高めてくれた」とコメントしたことは、以前にも紹介しました。

数年後、日本ではこんなトリビュート・アルバムが発売されました。
(ゲンスブール95のジャケット写真)



収録されているのは、いずれ劣らぬゲンスブール・フリーク、サエキけんぞう、小山田圭吾、辻仁成、加藤和彦、小西康陽、小林靖宏、あがた森魚、ムッシュかまやつ、それに音楽評論家・永瀧達治に加えて、
セックス・ピストルズのプロデューサーとして名高いマルコム・マクラーレンも1曲参加しています。

彼の手になるトラックは、パリで活躍している舞踊家、ブランカ・リを起用しての「ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ」です。
トリビュートCDのパンフレットにマルコムは手書きでこんなコメントを寄せています。

(アイ・ラブ・ゲンスブール、とハート印。マルコムの手書きコメント)


よっぽど好きなんでしょうね、ゲンスブールのことが。

(↓マルコムの写真)



またマルコム・マクラーレンは、カトリーヌ・ドヌーヴを起用して「Paris, Paris」という曲もプロデュースしています。
自らも映像に登場するくらいで、まるでゲンスブールの足跡をたどっているかのようです。

(なおこの映像には、未成年に不適切な部分があるそうです。ご注意ください。)

⇒「Paris, Paris」

ちなみに、日本制作のこのトリビュート・アルバムは後日フランスでも発売されたようです。
(ただしマルコム・プロデュース「ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ」は未収録です。)

入手した輸入盤CDには、千円札(旧紙幣ですね)を燃やしている写真が掲載されています。
フランスのテレビに生出演したゲンスブールが、500フラン紙幣を燃やして猛烈に顰蹙をかった言動への“オマージュ”でしょうか?




*次は、マルコム・マクラーレンとくれば、セックス・ピルトルズです。(本当はマルコムのパートナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドとしたいことろですが、
あいにくファンションを語る資格に欠けるものですから。)