「シェルブールの雨傘」で、カトリーヌ・ドヌーヴの吹き替えを
したのは、ダニエル・リカーリという歌手です。

(本人のレコード・ジャケット↓)



1943年、北西フランスブローニュ・シュール・メール生まれ
だそうで、この映画の成功により、知名度があがったとのこと。
映画の時にはまだ20歳くらいですね。とても美しい声のかたです。

その後、ダニエル・リカーリには「歌手として」は余り知られて
いない隠れた大ヒット曲があります。サン・プルーというフランス
の音楽家が作曲・演奏した「ふたりの天使」という曲に
ヴォーカリーズをつけているのが、ダニエル・リカーリです。

これは、誰しもどこかで聴いたことがあるはずです。
↓(動画ではありませんが、クリックして聴いてみてください)



ね、聴いたことあるでしょ?このテのヴォーカリーズ曲は歌詞アリ
の曲と違って、テレビの番組のBGMに使い勝手がいいそうで、
いまだによく使われているみたいです。

このシングルは、フランスと日本でのみヒットしたとのこと。

原題名は「CONCERTO POUR UNE VOIX」。直訳すると
「一声のためのコンチェルト(協奏曲)」ですが、なぜそれが
「ふたりの天使」になったかというと、このオリジナル・
ジャケットの可愛いイラストによって日本でだけ、
このように命名されたとのことです。

(↓「ふたりの天使」のシングル盤。ちなみにこれは
中古レコード屋で買った自前モンです(^^;)
 


以前パリに行ったときに、シャンゼリゼ通りのレコード店で
サン・プルーのLPを探しましたところ、1枚だけ見つかった
ので買ってきました。で、今回のブログネタに家中探しましたが、
残念ながら見つかりませんでした。

ところで、「シェルブールの雨傘」には、ミシェル・ルグランの
実の姉クリスティーヌ・ルグランもエムリー夫人役の吹き替え
を担当しています。

クリスティーヌは、スウィングル・シンガーズというコーラス・グループの
メンバー(リード・ソプラノ)として大活躍した歌手です。

スウィングル・シンガーズは、バッハ曲をヴォーカリーズで構成した
メッチャお洒落なサウンドを持ち味に世界中で人気を博しました。
地味ですが、代表的アルバム「JAZZ SEBASTIAN BACH」から"Sinfonia"です。↓



当時フランスには、バッハ曲をジャズった「Play Bach」の
ジャック・ルーシェとかも活躍していて、クラシック音楽を
ベースにしたフランス音楽家のセンスが光っていたように思います。

*次回のテーマは、ドヌーヴと実のお姉さん、フランソワーズ・ドルレアックです。
(またまた地味ですが・・)