パラレルの政治力学 9 | 西森大学文芸部

パラレルの政治力学 9

「そこまでだ、異人種」
永井がひきつった顔でこちらを睨んでいる。ああ、こりゃ死んだわ。
その上
「あーあ、見つかっちゃった。状況を悪くさせちゃったね」
なんてお兄さんが笑いながら言うもんだから余計に頭に来る。
「おい、そこのお兄さん、お前の正体は知っているぞ。お前も第24世界の人間だろう。」
「そうだよ、よく分かったね」
へ?そうか、そういうことね。なるほど・・・。
「いい機会だから二人まとめて死んでもらおうか。君らがいては我々の政治信念の達成に支障をきたすのでな」
こいつらに信念なんてあるのか?どうせ死ぬんだし聞いとこう。
「あんたたち信念ってあるの?」
「もちろんだ!」
「どんな?」
「あ、うぇ、そりゃ・・・凄いかっこいい国?」
いや「?」じゃなくて、質問してるのは僕ですから。
「うん、どんな感じの?」
「全部無料で・・・全部の国と仲良くて・・・みんな超生活しやすくて・・・。」
なぜかしどろもどろになっている。政治家のくせになんつーザマだ。
お兄さんが小声で話しかけてきた
「よし、時間を稼いでくれたな、いいぞ細川君。」
「何が?」
「君のおかげで何とかなりそうだ。」
「はあ?」