⑨古希を迎えてこんな夢を見た

またも映画の夢を見ました

 

『男はつらいよ』寅さんです

私が初めてこの映画を見たのは

昭和44年夏ごろ

笑ってばかりだったのを覚えています

 

やっぱりハマりましたマドンナに

恋心を抱き振られて旅に出るラストは

おなじみのシナリオでした

シリーズの中でも第17作

『寅次郎夕焼け小焼け』は好きですね

ロケ地は三木露風の童謡赤とんぼの歌と

醤油作りで知られ兵庫県の播州龍野です

マドンナは太地喜和子(芸者ぼたん)

ゲストに宇野重吉(日本画の巨匠・池ノ内青観)

旅先龍野で青観と再会する

物語はお金を騙し取られた芸者ぼたんを

寅さんが救済に奮闘すると同時に画家の

池ノ内青観との友情物語です

夢に見たのは、もうひとりの

ゲスト女優 岡田嘉子

この方はサイレント映画で活躍された

大女優でのちに恋人と

昭和13年に旧ソ連に亡命

「恋の逃避行」と

当時マスコミに騒がれました・・・

亡命後二人はスパイとして逮捕され

彼は銃殺刑に・・・

彼女は8年間収容所と監獄入れられ

1947年戦後ようやく釈放されるも

帰国できずソ連に留まります・・・略

1972年昭和47年に日本に帰国します

その4年後の1976年

昭和51年『寅次郎夕焼け小焼け』に出演

10年後の1986年にソ連に戻ります

1992年89歳で

モスクワで亡くなったそうです。

<女優・岡田嘉子の言葉>

 自分の過去を後悔することが嫌い

映画では短い出演でしたが

城下町龍野で書道・茶道を教え

一人暮らしをする老婦人志乃役

 

過去に池ノ内青観と深い恋仲であった

二人が数十年ぶりの再会する会話の

シーンは岡田嘉子の壮絶な過去の

人生体験が重なります

 

  =青観と志乃のやりとり=   

         青観・ 申し訳けない          

          志乃・ どないして?           

 

青観・ 僕はあなたの人生に責任がある

   僕は後悔しているんだ

 

志乃・ じやあ 仮にですよ、あなたが

もう一つの生き方を

なすとったら

ちっとも後悔しないで

すんだと言い切れますか?

   

この頃よく思うんです

人生には後悔が付きもの

  

ああすりやよかったという後悔と

もう一つは、どうしてあんなことを

してしまったのだろうという後悔

 この台詞で岡田嘉子の若い日の

 壮絶な人生を知っていると

しらないとでは言葉の

奥深さの伝わりが違う

山田洋次監督の岡田嘉子の

人生への思が台詞に強く伝わる

夢は本編に戻ります

播州赤穂で偶然、青観と再会した

寅さんが芸者ぼたんと意気投合する

龍野を後にする時に

「所帯を持とうな」と言う惚れこみ。

 

突然とらやに芸者ぼたんが訪ねてくる

ぼたんの金銭トラブルを

寅が知り救済のため奮闘するが

解決にいたらづ青観に絵を書くよう

頼むが冷たく断られる

 

再び龍野に訪れる寅さんが

目にしたのは青観がぼたんに贈った絵

龍野市長が200万円で譲ってほしいと

言われたけど譲らへん一生宝物にすると

ぼたんは言う

でも何で?

絵が贈られた訳はぼたんは知らない

寅さんは東京に向かって

(青観)お礼を言いう。

(200万円の額はぼたん

騙し取られた金額で現金では

ないけれど相当額が戻る)

おちは会心のストーリーですね

(国民宿舎赤とんぼ荘からの写真)

 

『寅次郎夕焼け小焼け』の

作品に込められたもう一つの

人生を見事に脚色している

山田洋次監督作品です

 

こんな夢をまた見ました。

この風景画は

=山歩きのポパイ=の

オリジナルです