お兄ちゃんが死んで、
お葬式もひと段落して、
家には、家族だけがいた。
それぞれに、それぞれの場所で、
何もすることもできず、
ぼんやりしていた。
父は、ただただ落ち着かず、
おろおろしたり、お酒を飲んだり。
私と母は、台所にいた。
西日の差す台所の椅子に、
肩をおとして座っている母。
私は、その母の横顔を見ていた。
肩をおとしたままの母が、ぽつりと言った。
「お兄ちゃんがいたおかげで、いっぱいいい思い出ができた。
とっても幸せだった。お兄ちゃん、いっぱい、幸せをくれてありがとう。」
私は何も言えなかった。
ただ、母の横顔を見ているしかない私は、
そこに、母の真の強さをみた気がした。
私は、こんな母に育てられてきたのだ。
言葉では、うまく表現できないけれど、
そんな母に、
感謝