オリバー・ツィスト(2005 イギリス/チェコ/フランス/イタリア)


ある映画解説でこの映画をこう書いてあった。


これは9歳になった孤児オリバーが、押し寄せる幾多の苦難に会いながら、その純粋な心を失うことなく本当の幸せをつかむまでを描いた感動の物語。と書いてあったが、この作品が感動する作品なのだろうか。


確かに救貧院では粗末な食事しか与えられず働かされ、葬儀屋では同じ境遇でありながら年上のノアからねたまれいじめられる、ロンドンに行ってからは窃盗団に取り込まれ利用され、口封じのため始末されそうになるが、最後にプランローによって救われハッピーエンドとなる。


自らの力で苦境を乗り越えたわけでもなく、運命に翻弄されてのことなのでさほど感動を呼ぶほどのものではないと思うのだが。


この作品の元になった原作「オリバー・ツィスト」の著者は、チャールズ・ディケンズ。1838年に発刊している。


今から170年以上前ことである。以前ブログで書いた「クリスマス・キャロル」を書いたのもチャールズ・ディケンズです。クリスマス・キャロルの5年前に書かれている。


特にクリスマス・キャロルを見ていると、チャールズ・ディケンズは、この作品でも慈善・慈悲というものをテーマにしたのではないかと感じる。


最初の救貧院では孤児たちには粗末な食事しか与えず働かせ、そこを管理する人たちは贅沢な食事を取っている。慈悲のかけらもない冷酷なものとして描かれている。


葬儀屋では、同じ境遇なのに妬み排斥しようとするノア、情けのない葬儀屋の夫人。


ロンドンでは、誰も救いの手を差し延べない人たち、オリバーを窃盗に利用しようとする下心はあったもののやさしく手を差し延べる窃盗団の頭フェイギン。最後のシーンでオリバーは、フェイギンに感謝している。


極悪非道のビル・サイクス。オリバーを救おうとしたビルの情婦ナンシー。ビルは、非情にナンシーを撲殺する。


慈悲の心をもった裕福なブランロー。やさしい心を持った家政婦。



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