コンビニの入口はレジの近くでしたが、


入ってすぐ横から奥の方へ歩いていき、
離れたところで彼の姿を確認。


何を買ったかまでは覚えてないものの
いくつか商品を持って、レジに並ぶ。



すると、
私の番がまわってきた。



手際よく前の人のレジを済ませた彼が


「いらっしゃいませ」と言った時、


彼と目が合いました。




私はマスク姿、

彼はマスクをしていません。




彼の表情が、

驚きと同時にほころびました。



そして冷静に

「どうしましたか…」



彼が商品をスキャンしながら
私に聞きました。




私はとっさに

「あ、これバレンタインだから、どうぞ」


確かこんなことを言ったと思う。
間違いなく緊張していた。



「あ…ありがとうございます!」



後ろに他の人が並んでいたかは
わからないですが



彼は
私のあげた紙の手提げの中を
うれしそうに覗きました。



「がんばってね!」



そう伝えて、コンビニを後に。









もうこの先どうなろうと
後悔はなかった。




今日彼がバイトだったこと、

一日持ち歩いたチョコを無事渡せたこと、

そして、ひとこと話せたこと。



そのことに感謝しながら、
満ち足りた気持ちで家に帰りました。