サァッと
刷毛で掃いたようなスジ雲と
わた雲がぷかぷか浮かぶ
秋と夏の名残が入り交じった
澄んだ空。
遅く生まれてきた
まだまだ元気な
セミの鳴き声が響く公園の
チラホラ
落葉が目立ち始めた
桜の木陰に
ベンチがひとつ。
その脇に自転車をとめて
ストレッチをしている
おじいさんがいました。
そろそろ私も
ストレッチを始めないと
太ってしまうなあ…などと思いながら
その公園の横を通り過ぎ、
用事を終えて
また同じ道を帰ってくると、
ストレッチを終えたおじいさんが
ベンチで仰向けになって
寝そべっていました。
扇風機の
一番弱い風と同じくらいの
お昼寝にはぴったりの
秋の風が吹き渡り、
桜の葉が揺れる度に
キラキラ木漏れ日が降り注ぐ
その木陰のベンチは
きっと心地良いことでしょう

窮屈な靴を脱ぎ捨てて
秋風に晒された
足のウラが
とても気持ち良さそうでした。
外で裸足になって
その足のウラに季節の風を感じるって
非日常的な気がして
妙に羨ましくて
何だかゼイタクなことの様に
思えてしまいました
