そう、そこへは決して足を踏み入れてはならない。
底なし沼のその先には、ただ虚無感が待っているだけ。。。
ふらりと入ったゲームセンター。
辺りには色とりどりのUFOキャッチャーが並ぶ。
ガラスいっぱいに貼られたポラロイド写真の中で笑う人たちは皆、ゲットしたぬいぐるみを抱え、喜び、絶望、あらゆる感情が入り混じった表情でこっちを見ていた。
「ふぅん・・・」
いつもそうだ。
私はUFOキャッチャーを適当に品定めし、「ふぅん」とつぶやき、その場を後にする。
財布など出してみろ。それまで保っていた均衡は脆くも崩れ、(下手くそが故に)大して楽しくもない時間を10分ほど過ごし、最後は投げやりになって結局手元には軽くなったそれが残るだけだ。
どうせ物理的な計算なんかできねんだ。
野生のカンも働かない。
ばかばかしい。
そんなことに構ってられるか。
帰ろう。
そう思った瞬間。
この日は何かがおかしかった。
UFOキャッチャーの魔物が、私の後ろについた。
ヤツは私の鞄を強引にこじ開け、財布を引っ張り出した。
スルスルと吸い込まれていく100円玉。
微動だにしない景品の空箱。
「あと1回!」
何度叫んだろう。さっきまでの冷静な私の姿は、そこにはなかった。
何もしていないのに疲労が激しい。
目眩がし、意識は朦朧としてくる。
100円玉を投入する手だけが、虚しく動いた。
1,2、・・・・両替機と何度往復したかわからない。
「いい感じですよ!もう落ちますね!あとは時間の問題です☆」
ニヤニヤしながら、店員がアドバイスをくれる。
しかしもはや、その言葉は私の耳には届いていない。
もう何が欲しかったのかも忘れた。
100円玉がただの金属に見える。
右奥をひっかけるって・・・どこをどうすりゃいんだよ・・・・てか時間の問題って何だよ。。。
ここへきてクレーンが空を切る。
魔物は容赦なく、景品が落ちるのを邪魔する。
そしてそれが落ちた時。
私はすでに息をしていなかった。
その場に崩れ落ち、二度と起き上がることはなかった。
隣で魔物が、勝利の笑みを浮かべているのが見えた。
私が戦っていたのは果たして、魔物なのか、それとも・・・
底なし沼のその先には、ただ虚無感が待っているだけ。。。
ふらりと入ったゲームセンター。
辺りには色とりどりのUFOキャッチャーが並ぶ。
ガラスいっぱいに貼られたポラロイド写真の中で笑う人たちは皆、ゲットしたぬいぐるみを抱え、喜び、絶望、あらゆる感情が入り混じった表情でこっちを見ていた。
「ふぅん・・・」
いつもそうだ。
私はUFOキャッチャーを適当に品定めし、「ふぅん」とつぶやき、その場を後にする。
財布など出してみろ。それまで保っていた均衡は脆くも崩れ、(下手くそが故に)大して楽しくもない時間を10分ほど過ごし、最後は投げやりになって結局手元には軽くなったそれが残るだけだ。
どうせ物理的な計算なんかできねんだ。
野生のカンも働かない。
ばかばかしい。
そんなことに構ってられるか。
帰ろう。
そう思った瞬間。
この日は何かがおかしかった。
UFOキャッチャーの魔物が、私の後ろについた。
ヤツは私の鞄を強引にこじ開け、財布を引っ張り出した。
スルスルと吸い込まれていく100円玉。
微動だにしない景品の空箱。
「あと1回!」
何度叫んだろう。さっきまでの冷静な私の姿は、そこにはなかった。
何もしていないのに疲労が激しい。
目眩がし、意識は朦朧としてくる。
100円玉を投入する手だけが、虚しく動いた。
1,2、・・・・両替機と何度往復したかわからない。
「いい感じですよ!もう落ちますね!あとは時間の問題です☆」
ニヤニヤしながら、店員がアドバイスをくれる。
しかしもはや、その言葉は私の耳には届いていない。
もう何が欲しかったのかも忘れた。
100円玉がただの金属に見える。
右奥をひっかけるって・・・どこをどうすりゃいんだよ・・・・てか時間の問題って何だよ。。。
ここへきてクレーンが空を切る。
魔物は容赦なく、景品が落ちるのを邪魔する。
そしてそれが落ちた時。
私はすでに息をしていなかった。
その場に崩れ落ち、二度と起き上がることはなかった。
隣で魔物が、勝利の笑みを浮かべているのが見えた。
私が戦っていたのは果たして、魔物なのか、それとも・・・