君の泳ぐところ
いったいどれくらい
見ていないかな
君は誰より速くて
いつも私は息をのむ
水面をすべる背中
うつくしい流線形の

「ねぇ
想像できる?
私は水にさえ嫉妬するのよ
君の肌を流れる水たちに」

一等賞の君は
息を弾ませ
私に手を振るから

あわてて微笑んでた私

君に
傷をさらすような
ずっと苦しめるような
愛し方しか
できなくてごめんね

私はもう平気だよと
言ってあげられなくて

ごめん

ずぶ濡れで
君とキスをした
曇りのち雨
春の午後

二人とも気付かなかったけど
あの日の雨はきっと
ガムシロップだった
だっていつもの町が
あんなに甘かったもの

sweet rain
甘い午後
sweet pain
遠い日の