お昼ごはんと一緒に飲むのは、午後ティーって決めてる。
午後ティーなら売店の販売機にあるから。
きっと売店の近くには、彼がいる。

ほら、いた。

チラッと見る。

まだ気づかない。

友だちとおしゃべりする声をわざと大きくしてみた。
はしゃぐフリをして、友だちの肩越しに彼を見る。

ぁ・・・目があった。

ニコッと笑ってみる。

笑ってくれた・・・!

友だちとしゃべりながらも、彼の側が熱くなってる。
ジュースを買ったら、話しかけるって決めた。
笑ってくれたから。

「よっ!」
午後ティーの缶をふって、彼のところにいく。
友だちは、彼の友だちに気があるから、きっとこのくらいの
寄り道は怒らない。

彼も友だちと話をしてたのを止めて
『よっ!』
彼はもう飲みきったのか、軽そうなコーヒー缶をふる。
彼が昼に飲むのは、コーヒーかスポーツドリンク。
それもチェック済み。なんでも知りたいって思う。不思議。

彼と電話で話す時には、なんでもしゃべれるのに、
学校だとなんだか、冷たいかんじになってしまう。
きっと友だちの目があるから。
すごくすごく好きなことを知られてしまうのが、
恥ずかしいから。

それに私は友だちに協力してもらって、彼に近づくようなことは
したくない。自分で彼との距離を縮めたい。

「昨日の電話、長すぎだから~しかもあの歌は何よ」

昨日の夜は彼と電話でおしゃべりできた。
電話を切ると、長電話で携帯と密着してた耳が汗でしっとりとしていた。
心もなんだかしっとりして、なかなか寝つくことができなかった。

『夜中になると、どうもテンション変になって歌いだしちゃうんだよな~』

そうそう。くだらない替え歌ばっかり。
でも楽しくて嬉しくて。
ずっと朝まで話せたらいいのに。

彼と昨日の電話のことで立ち話をしていたら、友だちが
「教室に帰るよ」って。
もっと話したかったけど、これ以上の長居は、友だちのご機嫌を
損ねてしまうかも。サラッと彼に挨拶をして、教室に戻る。

今日は彼と話せたから、手帳のカレンダーのところにハートマークをつけなきゃ。
ハートが増えるごとに、心が温まる気がした。