ぷーさんについて・その5】

話は前後するが、旅客運送事業会社勤務中に、今度は父を亡くした。今から8年前のことである。

 

父は自分が生まれた時に病院で血液検査をして、糖尿病と診断されていた。食餌療法からスタートして、その後は血糖降下剤(飲み薬)、インシュリン注射となった。合併症で腎臓機能不全で7年間人工透析を受けていた。

 

父は自分の良き理解者で存在や考え方を認めてくれる人だったが、母との関係が悪くなりストレスがたまったり、仕事の人間関係や業務内容に不満がたまってイライラすると言葉遣いや態度が非常に悪くなった。糖尿病での体調の悪さもあってのことだろう。こうなったときの父を見て恐ろしいと感じたのは一度や二度ではない。

 

他人が自分に攻撃的な行為や言葉遣いをしてくることが「怖い」と感じるのは、子どもの頃に受けたいじめや父と母のいさかいが大きく関わっている。今でも罵声や大きな物音が聞こえると心臓がバクバクする。

 

父は元来とても優しい人だった。しかし、いきなりキレるその部分は自分にも備わっていることを自覚しているだけに、自分に対しても「キレる自分が顔を出さないように」という怖さがある。

 

一方で、先にこの世を去った母は学歴と裕福でない育ちにコンプレックスがあって、自分に「いい大学に入って、いい会社に入って、いい給料をもらって、いい生活をしてもらいたいし、私にもそれをわけて欲しい」という、「いい○○」にとらわれている人だった。

 

両親ともに戦後ベビーブーム世代だったが、お互いにサバイバルの意味合いが違っていて、その狭間にいた自分はけっこうキツい思いをした。

 

妻のご両親はとても仲がいい夫婦で、見ていて気持ちが穏やかになる。やっぱり両親は、仲がいいに越したことは無い。

 

~つづく~