【映画】淵に立つ*JAPANESE FILM FESTIVAL 2017 | + つれづれ in タイ・バンコク +

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つれづれなるままに。

2014年04月からタイ・バンコクに移住しています。
しごとは現地採用、1人暮らしです。
遊園地でも旅行でも1人でどこでも行けちゃう派。
でもインドア。手広くちょっぴりオタクです。

映画「淵に立つ」を観てきました

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JAPANESE FILM FESTIVAL 2017‬の上映全14作品踏破リレー・2作品目気合いピスケカナヘイきらきら

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◆公開日

日本:2016/10/08
タイ:‪‪2017/02/05(日) 17:00〜‬



◆公式予告動画



◆関連書籍・DVD


◆あらすじ

町工場を営む夫とその妻、そして最愛の娘とで暮らす3人家族の元に、夫の昔の友人だという八坂が現れた。
殺人の罪で服役していた八坂を雇い、自宅に住まわせる夫の行動に戸惑いながらも、オルガンを教えてくれる八坂に娘は次第に懐き、妻もまた八坂の誠実さや丁寧さなどに惹かれていく。
しかしある日、事件は起きた。
その後消息不明となった八坂。
崩壊していく家族。
家族のあり方とは何なのか。


◆感想

一言で言うならば、胸糞の悪い作品でした。
なぜなら、そういう作品だから。
その胸糞の悪さというのは、おそらく狙って作られたモノであると思っているので、こうした感情を抱くコトは、むしろ作品としては成功だったんじゃあないかと思います。
なので、ある意味この感想も、褒めているのと同義ではないかなあ、なんても思っています。

なにしろ「カンヌ国際映画祭『ある視点』部門審査員賞」を受賞しているくらいなので、その視点のインパクトの強さは、やっぱり大きいのではないかと。

それが好みかどうかというところだと思う。

私は「ハッピーエンド」が好きなので、不幸になっていくような話というのはあまり好きではなくて、救いようのない結末が悲しくて、つらくて。

なんで、なんで、なんで。

なぜ、そうなってしまったのか。

なぜ、こんな悲しい道を辿らなければならなかったのか。

核心に触れるところは結局分からず終いだったのも、もやもやもやもや。

しかし、現実でも「理由は結局分からない」「本人から話し出さない限り、核心に近いことを聞くことはタブー」という状況はいくらでもあって、現実ならば、さらに「何があったのか分からず、ただそこに結果だけが残されている」という状況というのはいくらでもあるだろうな、と思うと、その「何故そうなったのか分からない」「結局彼がどうなったのか分からない」といったモヤモヤしたこの感覚は、とてもリアルなのではないだろうか。


これは、ホラー映画だ。

おばけはいない。誰も襲ってはこない。

それでも、ホラーだったと思う。

登場人物が、ただ立っている。
ただ無表情で立っている。
何を考えているのか分からない。
何を感じているのか分からない。
過去が分からない。
未来が分からない。
分からない、分からない、分からない。

その気持ち悪さが、ホラー。

とても上手い演出、とても自然で素晴らしい役者たち。
本当に、胸糞の悪い映画だった。


この才能の、今後がこわい。