最後⑥ | 夫が癌に 残された私

最後⑥

ずっとうずくまった姿勢

どう見ても無理な体制だったので

無理に動かしてみたが

すぐに戻ってしまっていた


うずくまったままのせいなのか

点滴が上手く入っていないようで

全く減ってるように見えない


確認すると、一つロックが掛かってる

慌てて解除したが、夫がトイレに行ったとき

多分気にして触ってたから

ズレてしまっていたのかも

手足に力が入らないはずなのに

時々すごい力で私を掴んだりもしたから

あり得る


水分ほとんど取れない

なんとかストローを使って

レスキューを飲むときにとる水分がやっと


座薬を入れようとするも上手くいかないし

うまく点滴も入っていないように見えたので

看護師さんに連絡、来てもらうことに


やはり針が少し曲がってて

入ってる量が少ないかもしれないと

お腹から腕に針を付け替えてもらいました

このとき、夫は看護師さんに

ただ点滴の容器を触っているだけ

わかってるのかもしれないですが

何かを答えることはなかったです


看護師さんに痛み止めの話をしたら

舌で溶かす痛み止めは?と言われた

点滴の前に説明受けたのに、

オキノームと座薬以外思い出せなかった

この時オキノーム使って30分くらいだったので

所定時間を待って使ってみることに


ベッドにも上がれないなら

お布団引いてあげて、本人が横になれるようにしたほうが良いかもと看護師さん

帰られた後、急いで布団をひき

何とか夫を移動させ、横にする

でもすぐに起きてしまう

もともと横になると痛みがでる夫

少しずつ移動してし、また無理な体勢に

少し強引に横にして、身体を擦り

眠りについたら、私も眠る


朝方まで、唸り声で起きては痛み止めを口に入れ

体勢をかえたりしていた

夫にとって痛み止めがうまく効かず

今までて1番苦しんだ夜だったと思う


後悔

前日もほとんど寝てなかった私は

夫が動いているのに気づいても

そのまま眠ってしまった時間がある

夫はトイレに行きたかったと思う

その声を眠って拾えなかった

朝方その形跡を見つけて

本当に申し訳なかった

結局、私は世話をしてるつもりでいただけだった

昼間誰かに甘えて休んでいたら

夜夫に寄り添えていたはず

家で最期までと言ったのに、覚悟がたりてなかった