ついに『お金を渡さない』事件後 家を出ると決意を固めた。

でも、私にはお金がない。


頑張ってかきあつめて、手元に約2万円。

彼の思惑とおりになったのだろうか?

逃げたくてお金がなければ生きていけない。

ホームレスは別だけどそこまでする自信が自分にはない。


だけど・・・。


でも、お金に縛られていたのでは人生そのものがだめになる。


お金はなんとかなる。


と思い家をでた。


朝、何気ない顔をして彼を送り出す。

それから、即効荷物の整理を始めた。


1週間分の下着と洋服。

ティパックと砂糖。コーヒー(朝食代を浮かせるため)

それから石鹸を100円で買いシャンプー等は友人に恵んでもらった(とほほ)


もちろん他にも食材とかもあったが もう生きていくための最小限のものしかもって行かないことにした。

泥棒みたいでいやだと思ったし、ここまで来ていてもなんだか彼に悪いなんていう甘い思いが残っていたのだ。2万円。出るのはため息だが後ろを見ていても仕方がないとおもった。


で、その後友人宅へ連絡。

とりあえず クラブで夜働いてお金をもらおうと思ったのだが

私にはできなかった。

むかし学生時代、週2日で20万円もらっていた記憶があり、

今回もできると思ったのだが 彼の顔、親の顔が浮かんできてできなくなっていた。

そこは、そこそこの高級クラブで客の質もよく、お触りもないのだが

どうしてもできない。

客にも『ねー今 素でしょう』って言われてしまった。

擬似恋愛の世界。

もう、興味のない男に恋している瞳を向けることができなくなっていた。

それは年齢だとか今までの経験でそうなっていたのかもしれない。

とにかく、もういくらもらっても興味のない男たちへ関心のあるようなそぶりもできなくなっており

わたしはとにかく落ち着きたいのだと感じた。


昔はとにかく週1でも2でも ついた客は落とすと思っていたし

それが楽しかったのに。

とにかく、こんなときにそんなことを言っている場合ではないのだが

夜の世界からは完璧に 足を洗うことにしたのだ。


久々のクラブ出の仕事。NO1は相変わらずオーラが出ていた。


私は思うのだが、クラブとか夜の世界の女は夜顔の少し派手な感じの人のほうが売れるような

気がする。

そして話が上手で人懐っこい。

押すことも引くこともできる。

私の場合は、昔は隣にいるだけでいいという客の声から、

お客さんを特に営業することもなくとっていた。

そして言われていたのが 朝顔だ。

そう、わたしは派手なメイクが似合わない。

そして今回も客に言われてしまったのだが純粋に見えて

色気がないのだそうだ。

それではNO1にはなれない。


夜には夜に適した女がいる

ただもてるのとは訳が違うのだ。

昼 もてる女と 夜もてる女はどこかがちがう。



で、次にどうするか考えたのだが


君が必要だとか、愛しているとか、反省している、だとか話し合おう

なんて連絡が彼から来て、途方にくれたたわたしは彼の元へ戻るしかないと思い

この時は戻ってしまったのだ。


彼の場合、暴力を振るうわけではないのでそこが難しい。

私が自意識過剰なのか 彼が異常なのか 頑張っていい問題なのか?

それともやめたほうがいいのか?

そこら辺が難しい。

一見 簡単そうなのに答えが出せない。

そして同棲を解消することにより社会へ放り出されることへの恐怖。


友人宅にて気をつかいすぎて この時は

疲れてしまい 結局 彼の元へ戻ることになるのである。


今思えは、本当に時間の無駄だった。

だが・・。

そのときは本当にそれしか見えない状態になっていたのだと思う。