『今月はお金を渡さない』 


この言葉を聴いた瞬間ふつふつと怒りがこみあげ

体中の血が逆流した気分になった。


そして、彼とはもう口も聞きたくもないし一緒にはいたくないと思った。


ことのはじまりは 私が友人宅へ遊びに行った事がきっかけだ。

彼は 夕食の時間には帰宅していないと機嫌が悪くなる。


ただこの日は私も1年半ぶりの友人との再会。

彼にも帰宅は22時過ぎるといってあり『承諾』を得ていた。


それなのに『帰ってきなさい』とメールが。

そこで一度うんざりと思った。

なんで、命令されなくてはいけないのか。そして、彼に承諾を得ないといけないのか?

そこで私は帰らなかった。


で、帰宅して彼が言った第一声が

『金は渡さない』だった。


私は彼にお金を渡さないなどとどうして言われなくてはいけないんだろう?


彼と同棲し始めて金銭の管理は全て彼が行っている。

話し合いの元そうなったのではなく、勝手にそうなっていた。

そして お金のことをがつがつ言いたくないと思った私は

それでもいいか?なんて最初思ってしまった。

また、彼は 金持ちなので、金目的でそばにいると思われたくないというのが正直な思いだった。


私はもともと 専門職として働いていたからそれなりに収入はあったほうだった。

彼と 同棲する前は彼も 好きに働けばいいよ といってくれていた。

だから一緒に暮らす前は何も心配はしていなかった。


それなのに ともに暮らしたとたん、亭主関白?ぶりを少しずつ出して来、

専業主婦 お金は全て彼管理

と簡単に言えばそれを希望した.あの時 それがわかっていたら彼にはついていかなかったと思う。


一方私はシャンプーひとつをとっても彼がいなければならない状況まで落ちていた。

買い物はいつも彼と一緒。

友人と遊ぶときは彼の許可をとりお金をもらう状態。

自立し生活していた私には苦痛でたまらなかった。


どうして異常とかおかしいとか思わなかったのだろう?

自分の本当の姿ではないと思わなかったのだろう?

でもこの時は彼が好きだったし、お金のことは大きいが

一部分のいやなところで全てがいやなわけではない。

そして急にそうなったのではなく 序所にその姿が見えてきたため私も麻痺していたのかもしれない。

だから、この状況から抜け出せずにぐるぐると同じところにいたのだと今は思える。


だが、『お金を渡さない』

と聞いたその瞬間、私の中で何かがはじけたのだ。