猛暑のピークも過ぎ去り、いよいよ行楽の秋の到来だ。ドライブ好きの筆者としては、たまらない季節である。..........≪続きを読む≫
本文より
猛暑のピークも過ぎ去り、いよいよ行楽の秋の到来だ。ドライブ好きの筆者としては、たまらない季節である。
ところで、ハンドルを握りながらいつも気にしているのが、車酔い対策だ。せっかくのドライブデートも、助手席に乗る人が吐き気と戦っているようではこちらも気が気ではない…。そんな時は「遠くの景色を見て!」とせめてものアドバイスをするのだが、これって本当に効果があるのだろうか?
「それは間違いなく効果的ですよ。乗り物酔いというのは、視覚情報と体性感覚の乖離(かいり)が不快感を呼び起こすもので、正式には『動揺病』という病名も付けられているんです。遠くのぶれない風景を見ることは、この乖離を軽減させることにつながり、結果として乗り物酔いを抑える効果があるでしょう」
そう解説するのは、池袋スカイクリニックの須田隆興先生だ。車酔いに病名があるとは少々驚きだが、視覚から予測される情報と実際の動き(振動)のズレから酔いが起こることを、生理学では「神経ミスマッチ仮説」と呼ぶのだという。
「遠くの景色を見ていると、どの方向に揺れるのかがある程度予測できますよね。それによって視覚情報と体性感覚のギャップが脳内で補正され、車酔いを抑えられるわけです。船に乗っている場合は水平線を眺めているのがいいでしょう」
ところで、電車の中での読書は平気でも、バスの中で本を読むと途端に気分が悪くなってしまう、といった経験はないだろうか。これはなぜ?
「電車が直線的に造られたレール上を走るのに対し、バスのサスペンションはあらゆる方向に振動しますから、それだけ視覚情報と体性感覚のギャップが大きいと考えられます。なお、こうした体性感覚を司る三半規管は、訓練によって鍛えられますから、酔いやすい人でも続けていればそのうち感覚が順応するかもしれませんよ」
厳密には、「鍛える」というよりも感覚が「タフになる」のだと須田先生は解説する。いずれにせよ乗り物酔いは克服できるものなのだ。
あたまの上に本を乗せて、それを落とさないようにすると乗り物酔いが防げると聞いたことあるのですが・・。
違うのかな?