日本の明治から大正昭和にかけての西洋画家の絵は少し暗い感じがします

油絵は明治以降に日本で取りいられるようになったので どうしても仕方ないことなのだけど それぞれの作家が西洋のどの画家に影響を受けできるかがわかりやすすぎるところがあります

なかなか画家本人の個性が見えにくいです


そんな中 藤田嗣治とか岡鹿之助とか長谷川潔とか 実際にパリに渡り絵を学んだ画家たちは 技法やスタイルの真似にとどまらず独自の作風を作り出しています


今回 東京ステーションギャラリーの「春陽会誕生百年 それぞれの闘い」に岡鹿之助の絵を見に行きました

大好きな画家の1人です


「魚」という絵が今回の広告塔となりました

当展覧会のパフレットです


置かれたものには動きがないのですが 構図の縦横が交差(魚の向きとか)していて それが絵自体を生き生きとしたものにしているようです

木の机が微妙に画面からはみ出していて引き出しも空いているのにも生活のにおいを感じます


詳しくは知らないのですが 日本の西洋画壇にはたくさん派があってその一つが岡鹿之助の属していた春陽会です

梅原龍三郎 岸田劉生 前田青頓 などなど後世に名の残る画家たちが所属した会のようです


私はとにかく岡鹿之助の絵を目当てに東京ステーションギャラリーに行きました

時代順に並んでいるせいもあり一番最後の部屋に岡鹿之助の絵はありました


とにかく鹿之助の絵の静けさが好きです


今回は岡鹿之助のいくつかあるパターン(花 窓 雪景色 風景)を一枚ずつ上手に並べていて あーーどれも岡鹿之助だーーーって感じることができて ワクワクしながら見ました


どの絵も 例えばゴッホのような厚塗りではなく まるで水彩のように薄く塗られています

でもやはり油絵の具の乾けば色が混じらない特性がよく生かされていて そばでじっくり見ると色が重ねられているのがわかります

遠目から見るとその塗り方が 空気の奥行きだったり 描かれているものの風合いだったりを感じさせてくれます



「群落A」


「段丘」

手前の花瓶の花と遠景の景色

岡鹿之助の定石です


「山麓」

深々とした雪の景色ですが 川の流れる音が聞こえるようで静かな時間の経過を感じました



「窓」

↑この絵がいちばんのお気に入りになりました


画像はパンフレットや所蔵美術館サイトからいただいています、、営利目的は全くありません