相談員として電話相談の担当に入った

朝から昼まで計6本の電話をとった

ほぼ 精神疾患をお持ちの在宅療養の方々ばかりだった


彼らの持っていきどころなない思いを伺う


ある人は妄想の中でもがいている

ある人は将来の不安におののいている

ある人は過去の自分を後悔している

ある人は社会のあり方を危惧している


共通していることは 彼らは自分の「今」を生きていないということ、、私がそのように感じたということ



彼らは物理的には自分の小さな部屋の中や 精神的には自分の作った自分自身の中で 身動き取れなくなって泣いたりいきどおったり 死を求めてしまったりしている


死を求めるということは 大昔読んだ河合隼雄先生の著書の中の言葉を借りれば 今現在を変えたいということ


死とは再生を意味する



そんな彼らの話を聞いている私にできることは「彼らの今」と関わること、、それしかできない

話の途切れたところで 喉が渇いていないか?とか 窓の外には何が見えますか?とか 出かける準備はできてますか?とか 妄想や観念の中から彼らを「今」にもどすこと


「今 」は彼らにとっていごごちが悪いかもしれないけど その「今にいるあなた」に私たち相談員は寄り添うことしかできない

解決策とかじゃなく 慰めとかじゃなく 隣で一緒にお茶を飲んで休んでいる感じ、、、あなたがそこからまたどう進むかは私にはわからないし ましてや導くことなんてできないけど ひとまず一緒の時間を過ごせて互いの「今」を感じ合えたらと思うし それが次の「今を生きていく力」になってくれればと思う


そう思いながら私は電話をとっている




庭に自生した草花たち

彼らは周りと比較することもないし 芽吹いた場所を自分の場所として伸びていく

わたしは「彼らの今」を見守るだけ




朝顔は葉の量の割には花が少ない



カボチャは切っても切っても伸びてくる



トマトの支柱の中に伸び出したきゅうり



ニジュウヤホシテントウにやられて全く元気のないナスのそばでトマトが育ち始めた



草花の「今」が繋がって8月を創っていく