【岩手】干しシイタケからセシウム…岩手2/15 見落としていた! | 記憶と記録

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地元生産者から悲鳴

 岩手県一関、平泉、奥州、大船渡の4市町の2011年産干しシイタケから、食品衛生法上の暫定規制値(1キロ・グラム当たり500ベクレル)を超す放射性セシウムが検出され、地元に衝撃が広がった。生産者らは「これでは生き残れない」と悲鳴を上げる。

 農林水産省の統計によると、本県の干しシイタケの生産量(2010年産)は201トンで、大分、宮崎、熊本、愛媛に次いで全国5位。県によると、4市町の干しシイタケ生産者は322人で、県内生産者の3割以上を占めるという。

 今回、規制値を超えた干しシイタケは、原木・露地栽培物。県が9~13日に検査した結果、一関市産の2検体から同2880ベクレルと2430ベク レル、大船渡市産から1691ベクレル、一関市・平泉町産から1684ベクレル、奥州市産から同1393ベクレルが検出された。

 全農県本部によると、空間放射線量の測定値が高かった一関、奥州、平泉の3市町産の干しシイタケについては昨年8月以降、出荷を自粛。県森林組合連合会は「11年産は去年のうちに大半を売ってしまった」としており、出荷先に回収を呼びかける方針だ。

 約1万5000本のほだ木でシイタケを露地栽培する一関市狐禅寺の千葉孝夫さん(62)は「出荷できなければ1年で100万円の収入減。風評被害 で地元産のシイタケは値段が下落し、このままでは産地として生き残れない」と肩を落とした。約2万本のほだ木で露地栽培する同市大東町の佐々木久助さん (58)も「ハウス栽培していないのが裏目に出た。出荷できないのは血液の流れが止まるようなもの」と憤った。

 同市西部や平泉町の生産者が加盟する岩手南農協の農産課は「一関はシイタケ産地として長い歴史を持つ。生産者の活動の減退につながらなければいいが」と懸念する。奥州市農地林務課も「こんなに数値が高いので驚いている。12年産の準備時期なのに……」と心配していた。

 大船渡市三陸町越喜来の産直施設に干しシイタケを出荷する「三陸町直売組合」の菊地耕悦組合長(43)は「東日本大震災で漁業でも被害を受けたシイタケ生産者もおり、被害は甚大だ」と訴えている。

(2012年2月15日  読売新聞)

【岩手】シイタケ汚染、農家「最悪、栽培やめないと」

 岩手県一関、平泉、奥州、大船渡の4市町の2011年産干しシイタケから高濃度の放射性セシウムが検出された問題で、最も高い数値が出た一関市で、国や県の対応の遅れを指摘する声が上がっている。

 国や県は陳謝し、15日には東京電力の担当者が市を訪れ、シイタケの補償を伝えたが、当分、生産を縮小したり廃業を検討したりする農家も出始めた。

 勝部修市長は15日の記者会見で、「早期検査をずっと訴えてきた。明らかに対応が遅い」と県を批判。昨年10月、東京都内の消費者から「一関の干 しシイタケから1キロ・グラム当たり2000ベクレル近い放射性物質が出た」とのメールが市に届き、市の担当者は「県に見せたが取り合ってもらえなかっ た」と明かす。

 林野庁と県の担当者は14日、市内でシイタケの生産農家と懇談し、対応の遅れを認めた。県の担当者は「国から検査方法が示されず独自の判断が必要だった」と釈明、林野庁の担当者は「説明不足だと言われればその通りだ」と陳謝した。

 一関市狐禅寺のシイタケ農家千葉登美夫さん(69)は「検査結果が早く分かれば、違う農作物への転換も考えられた。最悪、シイタケ栽培をやめないといけない」と肩を落とした。

(2012年2月16日  読売新聞)