茶碗蒸しに生椎茸ではなく干し椎茸を使うべき理由
茶碗蒸しは、出汁や具材を卵液と一緒に蒸し上げる、滑らかな食感が魅力の日本料理です。その際に使用する椎茸ですが、「生椎茸」ではなく「干し椎茸」を使うことをおすすめします。この記事では、その理由と科学的な背景について解説します。

生椎茸を使うと卵が固まらない理由
茶碗蒸しに生椎茸を使用すると、卵液が固まりにくくなる場合があります。これは、生椎茸に含まれる**「プロテアーゼ」**という酵素が原因です。この酵素は、卵のタンパク質を分解してしまう働きを持っています。卵液が固まるのは、加熱によって卵のタンパク質が凝固するためですが、プロテアーゼがそのタンパク質を壊してしまうため、卵液が固まらず、茶碗蒸しがうまく仕上がらないのです。

干し椎茸なら問題なし
干し椎茸は、生椎茸を乾燥させて保存性を高めたものですが、この過程でプロテアーゼの働きが失われます。つまり、干し椎茸を使えば卵液がしっかりと固まり、なめらかな茶碗蒸しを作ることができます。また、干し椎茸を戻したときに出る戻し汁は、旨味成分であるグアニル酸が豊富で、茶碗蒸しの味わいをさらに深めてくれます。

干し椎茸の戻し方
干し椎茸を使う際には、以下の手順で戻し汁を用意しましょう:
- 干し椎茸を軽く洗って汚れを落とす。
- 水に漬けて冷蔵庫で一晩戻す(時間がない場合はぬるま湯でも可)。
- 戻し汁は茶碗蒸しの出汁に使うと風味がアップ。
まとめ
茶碗蒸しを作る際、生椎茸はプロテアーゼの影響で卵液が固まらなくなる可能性があるため、干し椎茸を使うのがベストです。干し椎茸は卵液の凝固を妨げることがなく、旨味をプラスしてくれる優れた具材です。ぜひ、次回の茶碗蒸し作りで試してみてください!