大井川沿いの集落の中で最も上流部に位置する小河内(こごうち)の集落。
その集落の東端、大井川へ小河内川が合流する地点に残る廃吊橋です。
Google mapには描かれていませんが、衛星写真に切り替えると吊り橋の残骸とその影が見えます。
正式な橋名は不明ですが、先達の皆さんが小河内の吊橋としておられるのでそれに倣いました。
集落入口の小河内大橋から見た吊り橋。
もうちょいズームで。床版は多少残っているが、一見して廃とわかる状態だ。
ちなみに奥に別の吊橋が見えているが、そちらは次回紹介予定。
集落を抜けて小河内側の橋詰に到着。
小河内大橋から見えた主塔は現在の道路から一段下がった所にあり、歩いてアプローチする。
吊橋へ向かう道の入口に立つ石碑と石仏。
手前は供養碑、奥は遭難碑と書かれているので、付近の災害(一部読めた碑文によると水難らしい)で亡くなった方を供養されているのかと思う。
橋へ下りる途中には小さな祠も祀られていた。「参寳神社」とあったので三宝荒神を祀っているようだ。
主塔の前に到着。橋詰はすっかり木々で塞がれており、使われなくなってからの年月を感じさせる。
本日のメインディッシュ、小河内側から見た吊橋跡。ソソるねぇ~。
アップで見るとより廃墟感が強くなる。
主塔には何も書かれておらず、橋の名前や架設時期は不明。近くの標識?も完全に錆びていて文字が判読できない。
先ほど渡った小河内大橋は「昭和43年7月竣功」とあるので、少なくともその頃までは吊り橋も利用できたのではないか。
主塔から現道側へ振り返り。かつてどういう風に道がつながっていたのかよくわからない。
河原に降りてみた。この角度だとかなり吊り橋としての体をなしているように見える。
横から。奥に見えるのが小河内の集落。
対岸の田代側からも確認したかったのだが、主塔へつながる入口が分からず、私有地っぽくもあったので断念した。
かつて小河内と他集落へ陸路で渡る唯一の手段だった吊橋は、このまま静かに朽ちていくのだろう。