糟目犬頭神社 (岡崎市宮地町) | 手当次第

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気になる所にいってみる

あけましておめでとうございます。
2018年は戌年ということで名前に犬のつく神社をご紹介。
岡崎市の糟目犬頭神社(かすめけんとうじんじゃ)です。
安直とか言わないで…。
 

 
一の鳥居から境内までは並木の参道となっています。
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参道に長さがあるとグッと神社らしさが増しますね。
社標の右下には「延喜社」の文字。
 
境内入り口。神門もあります。
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二の鳥居は入り口の説明書きによると、慶長10年(1605)岡崎城主本多豊後守康令(康重)の奉納。
越前(福井県)産の笏谷石を使い、形式も越前式鳥居というらしいが中山鳥居と何が違うのかよくわかりません。
 
柱にはたぶん上述のような奉納の次第が書かれている。「犬頭大権現」の文字も。イメージ 3
 
境内全景。
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社殿正面。年末に訪れたので門松が飾られています。
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手前のデカい灯篭に隠れて写ってませんが、天保8年(1837)の灯篭もあります。
 
子取・玉取の狛犬。昭和62年建立、作者不明。
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写真ではわかりにくいですがこの狛犬、デカい。
2.5m以上あるんじゃないだろうか。
 
台座の献詞も気合入ってる。
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さらに、この犬頭神社にはなんと愛知県最古の狛犬が残されています。
残念ながら公開はされていませんが、資料を見ると慶長10年(1605)奉納、二の鳥居と同じく笏谷石を使った20cmほどのもので、「石唐猫」と刻まれているそうです。
写真で見るとおかっぱ頭に短い胴がちょっと可愛らしい感じの像です。
 
その上県内二番目に古い狛犬もこの神社にあり、これも笏谷石製で慶長15年(1610)寄進の「石之駒犬」。
 
こちらは掲示板に写真がありました。ドレッドヘアー。
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後でチラッと本殿前をのぞいたら、並んで立っているのが見えました。
 
んで、犬頭神社というからには犬にまつわる伝説が伝えられています。
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社殿近くの大木の下で宇都宮泰藤が休んでいると、木の上から大蛇が泰藤を飲み込もうとしていた。
それに気づいた白犬が激しく吠えたが泰藤は大蛇に気づかず、吠え止まないのに怒って犬の首を切ってしまった。
すると切られた犬の首が大蛇に噛みついてこれを殺し、難を逃れた泰藤は犬の首を塚に埋めて弔った。
 
ちょっとうるさいからって犬を切っちゃうとか現代の感覚からするとアレですが、似たような筋の話は各地に伝わっており一つの類型となっています。
ちなみに豊川の犬頭神社ではもうちょっとマイルドな『今昔物語』の話を採っていますね。
 
あるいは犬の首ではなく南朝の忠臣新田義貞の首を埋めたとも言い、境内南東の池の小島がその塚とされています。
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池のように整備されたのは比較的近年らしく、現在は竹生島から勧請した弁財天を祀る大和田島弁財天社となっているようです(?)
 
由緒書き。
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先ほどの伝説の通り、犬頭霊神を祀っています。
ただ、宇都宮泰藤の時代以前からすでに犬頭明神の記載はあったようですが。
 
彦火火出見尊を祀る糟目神社は式内社として別の場所に鎮座していたが、洪水のため犬頭神社へ合祀されたとのこと(あるいはこの延喜式の糟目神社は豊田市の糟目春日社であるともいう)。
 
あとネットで見られる六ツ美村誌にリンクしときます。
 
 
以上、戌年にお参りすれば御利益2倍!みたいなシステムはたぶんないでしょうが、悪いことはないと思うのでお近くの方、愛犬家の方はこの機会にどうぞ。
 
こんな感じで今年もどうぞよろしくお願いします。