私は自分がいつから母親を嫌いだったのか、はっきりとはわからない

ただ母親の私に対する言動を思い出すうちに、明らかに悪意からと思われる出来事がいくつかあった事に気づいた

だいぶ前になるけれど、結婚して体調が悪くなったので、もしかして妊娠したかも知れないと思い、帰省した時に母親に病院に付いてきてもらった事があった

私の実家は山道の中腹にあって、バス停までは15分くらい下り坂を歩かなければいけない

母親は腹痛がある私になんの気遣いも見せず、スタスタと振り返りもせず山道を下り、私は追いかけるので精一杯だった

病院でおめでたが分かっても母親から「おめでとう」のひとこともなく、私は医師から切迫流産で絶対安静を指示され不安になった

しかし、母親は帰り道も行きと同じように自分のペースで歩いていき、バス停に向かう私と母親の距離はどんどん開いていった

目的のバス停に乗るべきバスが止まった時、母親はバスのドアの前に居て私は20mくらい後ろを歩いていた

このままでは一緒のバスに乗れなくなると焦った私は、お腹を押さえながらゆっくり走り「お母さん待って!」と大きめの声で叫んだ

母親はバスのドアの前で止まり、私が追いつくと黙ってバスに乗った

隣同士に座われたけど、私に対する言葉は一切なかった

自分が母親からひどい態度を取られた事にその時は気づかなかった

私と母親はケンカをしていたわけでもなく、仲良し親子ではないけれど普通の親子だと思い込んでいたから、何をされても母親の悪意を見抜く事はその時の私にはできなかった