今年の冬に日本から戻る時、成田空港でチェックインを
済ませたあと、その並びにあるショッピング街で立ち寄った
本屋さんで『ピエタ』(大島真寿美著、ポプラ社刊)という
本を買いました。”運命的な出会い”でした。
その『ピエタ』とはてっきりバチカンのサンピエトロ寺院にある
ミケランジェロの傑作のひとつと思いきや、私にとって地元とも
言えるヴェネツィアの、いつもお客様に「あそこが作曲家の
ヴィヴァルディが神父をしていたこともある教会です」と
説明している、サンマルコ広場の東に位置する場所でした。
「ヴェネツィア空港へ帰る時にヴェネツィアが舞台の本を
買うなんて、すごい偶然」と軽い気持ちで買ったのですが、
機内で読み始めると半分程で一気に読み終えるのが
勿体なく思えてきて、帰宅後に大事に数日に分けて読みました。
物語は18世紀の華やかなヴェネツィアを舞台に、
このサンタ・マリア・デッラ・ピエタ教会に隣接していた
孤児院と、そこで育った女性が出会った人々や
出来事を中心に展開していきます。
最後の数ページはベッドの中で読んでいたのですが、
声を上げずに泣くのに苦労するほどの感動を覚えました。
父の件で落ち込んでいた自分が癒されているのを感じ、
魂が揺さぶられるって、こういうことなのかと思いました。
その後、妹にも是非読ませてあげたいと思い、楽天から
送ってもらいました。普段あまり本を読まない妹も、
「今まで本を読んで、こんな気持ちになったことなかった。
涙が止まらない…」と読後にすぐメールをくれました。
その本を読んだ日本の友人が先日ヴェネツィアを訪れ、
是非この教会へ行きたいと言うので一緒に行ってきました。

ここから歩いて2分位のところに彼が洗礼を受けた教会も
あるので、そこへも案内しました。私自身、今後ゆっくり
本に登場する場所を辿ったりしてみたいと思っています。