6月7日金曜日。

 妻が産後入院を終えて退院することとなった。

 事前に車に積んだチャイルドシート(妹から譲ってもらった)と共に病院へ。

 退院手続きはスムーズに終わり、初めてちびちゃんをチャイルドシートにのせて家に帰る。

 チャイルドシートは新生児から使用可能なものであったが、新生児をのせる時に使用するパッドがついておらず、ブカブカの状態で座らせる形になってしまい、家に帰るまでひやひやであった。

 これから、家族人での生活が始まるんだなぁとしみじみしていたのも束の間

 その日の夕方、奥さんがお尻から大量に出血し、救急車を呼ぶことに。おそらく200㍉程度の出血であった。

 救急車は生まれて初めて呼んだが、さすがに早い、10分程度での到着であった。

 救急隊員から同行を求められたため、ちびちゃんを連れて救急車に乗ることに。

 床への出血もそのままに、財布、ケータイ、保険証、オムツ、缶ミルクなど最低限の装備で救急車に乗車。

 奥さんは「絶対に死なないから」と言っていたが、出血量は産後のそれより相当少なかった。救急隊員も床への出血を確認して、切迫した様子ではなかったことから、心配はないなと思った。

 しかし、まだ回復途上での出血である。救急搬送は正しい判断であろう。
 
 病院の受け入れ先は、産院となった。

 救急搬送される間、ちびちゃんはおとなしくしていた、私の服をぎゅっと握っていた。

 強い子だと親ながらに思う。

 搬送先の産院にて当直の先生に診察を受ける。偶然にも当直はお産の際に担当してくれた産婦人科の先生であった。

 診察の結果、縫合した傷から出来た血腫が破裂したことによるものだろうとのこと、止血の処置を行いその日は入院することで落ち着いた。

 病院で、ちびちゃんのオムツ替えと授乳することに。缶のミルクを持ってきてよかった。哺乳瓶に入れてすぐあげられるのはありがたい。

 さて、奥さんは入院だが私とちびちゃんは帰宅することに、タクシーを呼んでちびちゃんと帰る。帰りの道でちびちゃんがギャン泣きしないかビクビクしていたが、なんとか落ち着いていてくれた。

 いきなりちびちゃんと二人きりの夜である。

 床の血だまりを掃除して、ちびちゃんのお世話を開始する。

 オムツ替えについては動画で勉強したし、ミルクも用意してある。しかし、いきなり一人は不安である。妹にいろいろLINEで指南を受ける。

 夜は3時間おきにちびちゃんが起きるため、その都度オムツ替えと粉ミルクによる授乳を実施する。

 なんとか一晩を過ごすことが出来たが、さすがにつかれた。しかし、オムツ替えと粉ミルクについては自信がついた。これから奥さんも帰ってくる、なんとかやっていけそうだ。

 再び奥さんが生きていてよかったと思う。一人でやっていく自信はない。

 6月8日土曜日、奥さんが再び退院することに。ちびちゃんをチャイルドシートに一人のせて運転することはやめたほうが良いと考え、タクシーでお迎えに向かう。

 今度は抱っこひもでちびちゃんをだっこして、空いた両手に退院のための着替えなどの荷物をもってタクシーに乗り込む、やはり両手が空くと便利である。

 昼には退院の手続きを終え、再びタクシーに乗りこみ、15時くらいには帰宅することが出来た。

 退院初日からかなりハードではあったが、なんとか乗りきることが出来た。

 奥さんには当面絶対安静にしてもらうことにする。

 育児はまだ始まったばかりだが、3人ならばなんとかやっていけそうだ。