家族という壁の続編になります

まだ読んでない方は先にお読みください



ちなみに、あと2、3話は続きそうな気がします






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飛鳥side






私は昔からお姉ちゃんが大好きだった。


綺麗で、優しくて、運動もできるお姉ちゃんは私の憧れだった。


"お姉ちゃん" って呼ぶと、"なあに、飛鳥" って微笑んでくれるのが嬉しかった。


幼いながらに恋愛感情を持ちながらも、持ち前の臆病さが見え隠れして、気持ちを伝えることができずにいた。






中学生になったある日、姉妹で付き合うことはいけないことだということを知った。


そんな禁忌を犯す勇気が私にはなかった。


伝えたら、お姉ちゃんにも嫌われてしまうと思った。


結ばれない運命だと知って、何度も涙を流した。






その1週間後、私は好きだと言ってくれた男子と付き合った。


お姉ちゃんへの想いを忘れるために。


お姉ちゃんから少しでも離れたかった。






彼は優しかった。


私にいろんなものを与えてくれた。


それでも、どこかで彼とお姉ちゃんを比べていた。


彼がどんなことをしてくれても、"お姉ちゃんだったら" と考えてしまっている自分がいた。






付き合ってから3ヶ月経った日、彼に言われた。


"飛鳥は誰を見てるの?"


辛そうな顔をした彼に、私は何も言えなかった。


そのまま気まずくなって、別れることになった。






その後、誰と付き合っても長続きしなかった。


自分では意識してないつもりでも、いつのまにか相手を傷つけてしまっている。


それでも、お姉ちゃんから離れるために彼氏を作り続けた。




















お姉ちゃんから離れると決めたくせに、どうしてここにいるんだろう。


無理やり作った彼氏にフラれる度にここへ来てしまう自分が理解できない。


余計に辛くなるだけなのに。






呼び鈴を鳴らせば、内側からドアが開いて、ひょこっと顔を出してくれる。






「え、飛鳥?」






なんでこの人しか好きになれないんだろう。


なんで私たちは姉妹という関係なんだろう。






「飛鳥?」


「……フラれた」






多くは望まないから。


せめて、いつもみたいに私を抱きしめてください。


そして、私を甘やかしてください。






あなたの優しさを私にください。