飛鳥side
ピピピピッ
ピピピピッ
ん、朝……。
アラームを止めようと思って、開いた画面に映っているのは
"2/22"
そう、今日は乃木坂46がデビューしてから6周年の日。
早いなぁ、もう6年か……。
おっと、あんまりゆっくりしてる暇はないんだった。
急いで準備しないと。
そうだ、今日は1年に一度の約束を果たす日だ。
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スタッフ「お疲れ様でしたー!」
""お疲れ様でしたー!""
乃木坂工事中の収録、生配信を終えて、今日の仕事も無事終了。
それにしても、スタッフさんが用意してくれたケーキ、美味しかったなぁ……。
いつも通り、1番最初に食べました笑
西野「どしたん飛鳥、ニヤニヤして。」
「あ、なーちゃん。ケーキ美味しかったなぁと思って。」
西野「あれは、美味しかったな。……なぁ、今日やろ?」
「うん、やっとだよ。」
西野「家帰ってから?」
「そのつもり。その方がゆっくりできるし。」
西野「ななもその方がええと思う。じゃあ、帰りな?早く話したいやろ?」
「そうする。また明日ね?」
西野「うん、また明日。」
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んー、やっと家着いた。
………………さて、電話しないと。
1年間使われなかった電話番号にかけると、柄にもなく緊張している自分がいる。
プルルルル
プルルルル
……出ない。
まさか、忘れちゃったのかな……。
プルルルル
プルルルル
??「ごめん、お風呂入ってた。」
「遅いよ…………、奈々未」
橋本「いやー、悪いね。」
「まあ……、約束ちゃんと覚えてたから許す。」
橋本「かわいい飛鳥ちゃんとの約束ですから。」
1年前に交わした約束。
それは、『2/22だけ電話をする』というもの。
LINEとかはたまにするけど、電話ができるのはこの日だけ。
この日を楽しみに1年間頑張ったといっても……、それは言い過ぎか笑
橋本「あ、さっきの生配信見てたよ。また46時間TVやるんだ。」
「そうそう。」
橋本「なるべく全部見たいけど……、絶対寝ちゃうかな。」
「……じゃあ、私が出るとこは見てよ。」
橋本「……ふふっ、いいよ。」
「なんで笑うんだよ……。」
橋本「久しぶりに飛鳥のデレ聞いたら、嬉しくなっちゃって。」
「…………バーカ。」
橋本「……やっぱいいわ。」
「変態。」
橋本「うっ、それは傷つく。」
「傷ついてなんかないくせに。」
橋本「バレたか。」
「当たり前じゃん……、何年一緒にいたと思ってんの。」
橋本「それもそっか。………………だけどさ、飛鳥ってあんまり変わってないね。」
「……バカにしてるの?」
橋本「いやいや、良い意味でだから。1年も会ってなかったらさ、多少は変わってるのかなって思ってたんだけど、純粋で素直なままだった。」
「なにそれ……、照れるじゃん。」
橋本「そのままの飛鳥でいてほしいっていう、嫁からのお願いですよーだ。」
「じゃあ、1年後にまた言ってもらえるように頑張りますよーだ。」
橋本「楽しみにしとくからね。」
「うん……、また来年ね?」
橋本「来年はすぐに出られるようにするわ、じゃあまた。」
「……ばいばい。」
芸能人の私と、一般人の奈々未が交わる唯一の時間。
他の人からしたら短いのかもしれないけど、私にはこのくらいで十分。
だって長く話していたら、それだけ離れづらくなるから。
これで私は、来年の今日まで坂を登り続けられる。
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