スケベばあさん(自称なので、こんな呼び方をお許し下さい)について。
僕の働いている施設内には、個性的な利用者が沢山いる。
今日はそのうちの一人について語りたいと思う。

彼女は80代~90代くらいの老婆である。
兎に角男性が大好きで、入浴介助の時に「手すりに捕まってて下さい」と声掛けすると、「これ、男の人のアレみたいね。馬鹿な事言うんじゃありません」と、自分の頭を叩き一人ツッコミをする。

就寝介助で訪室する際は「男の人に触れた事が無いから嬉しい!」と言いながら抱きついたり、「一緒に寝ましょう」等と言い誘ってくる。

今日なんか「ここが腫れてしまったから、吸ってくれない?」と自分の胸を摩る。

「腫れてないみたいですね(それも失礼な話だが)」と真顔で僕。慣れたものだ。

彼女は転倒リスクが高いので、必ずコールを押すように声を掛けるようにしている。
声掛けの仕方は様々である。

「何か用事がある時や、ここを出たい時はどうするんでしたっけ?」と僕。

「ここを押す」と、ナースコールを持つスケベばあさん。

「そうですね。じゃあ宜しく頼みますよ」と僕。

「やりたくなった時は?」とスケベばあさん。

「やりたくなった時もここを押して下さい」と僕。

こんな阿呆らしい会話を日々しているのだ。