前の旦那様との思い出が殆どないけれど、
喧嘩って多分したこと無かった。
優しくて、私には勿体ないくらいの人格者で、
私の全てをおそらく受け入れてくれる神のような人であったことは間違いないんだけど、
一緒に長くいた気がしない。
もちろん今何処に住んでるのか、電話番号も何もかも知らない。
離婚は簡単だった。
でもこの時期になるとやはり思い出す。
けれども彼と共有したものが悲しみが多く、
愛情は沢山貰ったけれども、
それが余計辛かった。
地元は雪が降るから、あの雪のチラつく寒い日、市役所で別れ、
振り向かず角を曲がっていく姿だけはハッキリ覚えている。
離別しても連絡を取れる方もいるようだけど、完全に縁が切れてしまった。
電話番号も思い出せない。誕生日も。
そんなに昔の話じゃなく、まだそんなに経っていないのに。随分前の記憶のような気がする。
どうしても添い遂げるイメージが湧かなかった。
いつか別れるんだろうなと常に思ってた。
寂しい思い出。
けいごくんと出会った頃、喧嘩なんてすると思わないぐらい彼がスマートで優しかったのに、結婚したら喧嘩ばかりになったけど、
こんなに1人の人と向き合って、だから頭にくるんだってわかった。興味があるから喧嘩する。
年下のわがままを受け入れられる余裕の大人の女じゃないから頭にくる。
真っ直ぐだけど歪みながらのに真っ直ぐだからぶつかる。
彼は私に夢中だったくせに結婚したらエサくれないから頭にくる、
それだけきっと彼が好きなんだと思う。そしてそれにちょーしこいていた彼が、
今回ちょっとだけ反省したんだと思う。
今まで添い遂げるイメージが湧かなかったけど、やっと何となく未来が見えた気がした。
普通の男より冷たいし、私も薄情なのでちょうどいいのかもしれない。
そして私が生きにくさを感じても、彼は要領がいいからいいのかもしれない。
それでも私にとって神前でもチャペルでも、
一生を誓った人は忘れることは出来ない。
たまに前の旦那様を思い出す。
けいごくんの壁蹴り、罵声よりも、
あの市役所での最後の彼の方がずっとこわかった。
クリスマスソング流れる頃、ポインセチアを見る度にあの後ろ姿も思い出す。
M君にその後会ったこと。それに救われたこと。
この季節は様々な人と想いが交錯する。
最後まで御付き合い下さり大変ありがとうございます(_ _)