先日、「桂離宮」に行ってきた。
ここは、ある日突然いって見学できるところではなく、
3か月前から、宮内庁京都事務所に事前申し込みをして
向こうからの指定日時にいかなきゃ入れてくれないんである。
阪急桂の駅から徒歩20分。
しかしここはあえて、バスを使う(笑)
離宮は桂川沿いにある。
いまは周辺が住宅地。わりと近くを阪急電車が走っているし、
すぐわきの、桂川沿いの道路は少し交通量が多いけど、
昔このあたりは一面うり畑だったそうで
静かな、本当に静かな一帯だったそうだ。
バス停から入口まで歩く。
車や電車の音は耳に入ってくるけれど、
目に映るこのよく手入れされた竹垣のたたずまいは、
音が気にならなくなるくらい、それだけで静かで、落ち着きを与えてくれる。
時間まで、入口で待つ。
早めに着いたつもりだったが、Ponkoより早い人たちが何組も。
老いも若きも。日本人もいれば、外国人もいる。
声をかけた人たちはみなアメリカからの方だった。
時間になると門が開き、身分証明書を提示しつつゾロゾロ入ってゆく。
簡単な手続きと、簡単なビデオをみてから
案内の方が1人つき、みんなでひとかたまりになって
いざお庭へと進んでゆく。
元々、宮家の別荘として建てられた桂離宮。
門からお庭に入っても、中央にあるお池に、すぐには出られないようになっている。
木や植え込みの間からチラリチラリとのぞく水面は
「お楽しみはあ・と・で!」とじらされているよう。
ようやく池に出られた後は、「見立て」の数々が
私たちを楽しませてくれる。
宮家の方々も、我々のように池の周りをゆっくり歩いたり、
池に浮かべた舟で、そこかしこに設けられた茶室を行き来していたのだという。
招いたお客さまと、
ここで非日常を楽しんでおられたのだろう。
「松琴亭」の市松模様が、すっきりと美しい。
左下は、炭をうずめて暖をとっていたそう。
その熱は部屋を温めるとともに、上の戸棚に食事を入れておき
「園林堂(おんりんどう)」の屋根の形は、
ほかの屋根よりちょっと複雑でおもしろい。
桂離宮の中枢をなす書院群。
古書院、中書院、楽器の間、新御殿と並んでるらしいが・・・
ぜんぶくっついてるように見えるんのでよく分からない・・・
しかも、この中には入れないのだ。
古書院二の間の正面にひろーい縁側が。
空に上った月、水面に映る月を楽しめる。
実はここに限らず、桂離宮にはそこかしこに
日本の四季を存分に堪能できる工夫が、本当に多い。
日本っていいな。日本人っていいな。
自然を愛でる日本人の感覚はステキだなと
思わせられるお庭だ。
外人さん、これ分かってくれるかなあ?
ブルーノ・タウトさんは「泣きたくなるほど美しい」と
絶賛してくれたみたいだケド?