今日はハロウィーンですねハロウィン


ハロウィーンといえば、私の中では大好きなミュージカル『RENT』を思い出す日です。


今でこそLGBT(Q)が当たり前に受け止められる世の中になりましたが、RENTの作られた時代(1990年代)は性差別や人種差別だけでなく、エイズ(HIV)への偏見が根強い時代でした。


RENTはその全てをはね除けるような力を持つミュージカルです。


登場人物は、映画監督を夢見る青年マーク(彼視点で物語は進みます)、ミュージシャンを夢見るもエイズに感染し悲観的に日々を生きる青年ロジャー、彼を愛するヘロイン中毒の女性ダンサーミミ、マークと別れ今は女性と付き合うバイセクシャルのモーリーン、奔放に生きるモーリーンに翻弄されつつも彼女に魅了され別れられず苦悩するレズビアンのジョアン、天才的な頭脳を持ち大学教授になるも放浪癖があり収入が安定しない黒人男性ベニー、その彼を愛するドラァグクイーンのエンジェル。


彼らが貧しさとHIVという(当時は致死率の高い)病に侵され絶望しそうな中であっても、仲間と笑いあい、愛し合い、夢を追いかける姿を通して、限られた時間の中で今を生きる事の大切さ、命の尊さを考えさせられるお話です。


人生は、今この瞬間を精一杯生きるだけなのだ、と訴えます。


※マーク、モーリーン、ジョアン意外の人物はみなHIV陽性です


登場人物全員がとても魅力的で、みんながそれぞれの人生を精一杯生きています。とても愛おしい。


その中でも、エンジェルがとてもとても魅力的な女性(生まれの性は男性)で、優しく強く飛び抜けて明るく、みんなを照らす太陽のような存在で大好きです。


差別をされても笑い飛ばし、自分の姿を見てぎょっとする相手でも困っていたら親切にし助ける心の美しさ、自分の信じたものを純粋に愛し、気高く生きる姿がとても魅力的で勇気をもらえます。


本当に大好きな人物です。


そのエンジェルがHIVにより逝去した日が、

ハロウィーンなのです。


ハロウィーンはエンジェルの大好きな日でした。

大好きな日に大好きな人々に囲まれ旅立ったエンジェル。


心に正直に、愛と優しさで人々を喜ばせた人生。


その生きざまが、エンジェルの葬儀の場面で

彼女にかけられる言葉ひとつひとつとして現れるのです。

エンジェルへの感謝と愛に溢れていて何度観ても、泣いてしまいます。


モーリーンが言います。


「エンジェルのくちぐせは『良い友達がいてラッキー』」


「私たちこそ、大ラッキーだったわ」



真心のこもった愛は、姿を失い見えなくなっても人々を励まし温めます。


自分の人生の幕が引かれた後、ひとりでもいいからそういう風に心から見送ってくれる人が居たら幸せな人生ですね。


自分もそんな人間でありたいと作品を見るたびに思わせてくれる人物です。




そしてまた、

RENTは楽曲がどれも素晴らしくて。

様々なジャンルの楽曲があり、ロックやポップ、タンゴやバラード、ゴスペルまで何でもありのミュージカルでどれも完成度が高く、聴いてて飽きず、本当に楽しいです。


seasons of loveは、昔缶コーヒーのCMで流れていたので聞いたことがあるかもしれません。RENTの代表曲です。


 LGBTQを象徴する曲です。はっちゃけてます(笑)


 コリンズとエンジェルの互いを思いやる姿が印象的で愛に溢れた素敵な曲です。


 エンジェルの葬儀の曲です。この場面になると人生をどう生きる事が大切かを考えます。


 ラストシーンです。今この瞬間生きている事が尊いことなのだと感じます。


他にもたくさんありすぎて紹介しきれません泣き笑い全部好きです。
人間の魂の強さを感じる、エネルギーがたくさん詰まったこのミュージカルは永遠の憧れです。

彼らのように、
心のままに生きれたらいいのに…

なんて、自分に言い訳をしている自分はみっともないですが、RENTを見ているとそんな自分も少しは彼らに近付けたような気分になれて元気をもらえるのです。

何度も観てしまいます。

ここで紹介した動画は映画版(モーリーンは初演キャストであり「アナと雪の女王」のエルサ役雪の結晶もされてます)ですが、ブロードウェイ(舞台)版も客席の歓声を含めたRENTの世界観を感じられて、臨場感と迫力があって最高に素敵ですし(個人的には映画版より舞台版の方がRENTらしくてオススメですニコニコ)、数年毎に来日公演、日本版キャストでの公演もあります。

(10年前日本版キャストでマークを賀来賢人さん、ロジャーを中村倫也さんがされた時は本当に神回でした目がハート特に中村倫也さんのロジャーは情熱的で色っぽく、歌もめちゃくちゃ上手でそれ以来ファンなのです。彼の魅力は舞台で輝きますキューン飛び出すハート←蛇足ですね泣き笑い)



そして最後に、作者のジョナサン・ラーソンについて書かせてください。

ジョナサン・ラーソンは35歳という若さでこの世を去りました。
彼が亡くなったのは、長年の苦労の末、念願叶ったRENTのプレビュー公演の日の朝でした。

彼は命を削りながら作り上げた作品が人々に感動を与え、広く愛される光景を見ることはありませんでした。

作者の急死という悲劇。
そのインパクトの強さ故にRENTは伝説的な存在となり特別の魅力をもったミュージカルになったのかもしれません。

ですが、私は初めて観た時の衝撃が忘れられません。

まるで長年探し求めていた仲間に逢えた…
そんな気持ちになったミュージカルは初めてだったからです。

なぜかはわかりません。

でも、なぜだか探し求めていたものがRENTに集約されていた…そんな感覚になりました。

ジョナサンが彼自身と友だちとの友情をRENTに投影したことで、これ以上ないほど友情と愛の素晴らしさを伝えたこと。
心のままに、嘘偽り泣く生きる(世間から見れば無職で常識はずれな)彼らが羨ましくもあり、紆余曲折ありつつも互いを無上の友とし支え合う姿が、私の求めていた理想的な姿だったから…かもしれません。

なので私にとってもRENTは特別な想いのあるミュージカルです。

初めて観たときと変わらず、ずっと大好きです。

ハロウィーンの日は必ずRENTを観ます。


そして、命がある事に感謝し、出来るだけ周りに愛を贈れる人間になろうと気持ちを新たにするのです。


ジョナサン、こんな素敵な作品を遺してくれてありがとう。


※ジョナサン・ラーソンの人生は「tick tick boom」という作品にもなっていてこちらも凄くおすすめです。



自分を信じ行動することが何より大事と訴える、ジョナサンやRENTの登場人物の人生そのもののような歌です。





“Thank you Jonathan Larson”





ここまで長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

RENTという素晴らしい作品がいつまでも色褪せることなく、誰かの心に残ったら幸いです。

いつもですが完全に自己満足ですみません泣き笑い


今日もみなさんの素敵な願いが叶いますようににっこり

楽しいハロウィーンを!ハロウィン