昨晩、24時間テレビの「無言館」を観ました。
 
 
無言館というのは、現館主の窪島誠一郎さんが私設に作られた
太平洋戦時下の画学生たちが残した絵画を展示している美術館です。
 
ドラマは画家の野見山暁二先生よりその存在を知らされた窪島さんが、
遺族の元を周り収集し、美術館を開館するまでの話です。
 
出征中負傷し、帰国した野見山先生の自分だけ生き残ったという画学生たちに対するの自責の念や、
遺族のただの絵画ではなく、本人の代わりとでもいうほどの絵画への強い思い、それを支えに50年生きてきた重み、
画学生たちの残した、戦時下の、しかも出征直前まで描いていたとは思えないほどの穏やかな絵画たち、
彼らの最後に残したかったものが、愛する家族や恋人、故郷の風景や街並みだった
ということの魂の崇高さ、
遺族たちから大切な絵画を奪っているのではないかという窪島さんの葛藤、そして
生きている自分ができることは何か、何をすべきかという使命が、
きっとそれぞれの人間にはあるのだと知る
 
様々な思いを感じさせるドラマでした。
 
そして、最後のエピソードとして日高安典さんの「裸婦」のモデルとなった女性が
残した感想ノートの言葉が、戦争の残酷さ悲惨さを静かに物語っていました。
 
彼女の言葉はただただ、日高さんへの恋しさと懐かしさ、切ない思いをつづっているのみです。
 
だからこそ、余計に戦争の残酷さを感じずにはいられませんでした。
 
 
人の想いはどれほど時間が経っても色褪せない。
あの女性と日高さんが過ごした夏は色鮮やかに、
彼女の中に生き続けているのだと胸がいっぱいになりました。
 
こんな愛の形もあるのだと心が震えました。
 
 
 
どうか戦争のない世界になってほしいです。
今現在も、誰かの大切な人が命を落としているのです。
もうこんな悲しいことは御終いにしましょう。
 
戦争のない世界を願います。
 
 

館主窪島誠一郎さんの挨拶文をぜひ読んでみてください。