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勝手に「切っておきました」 「外科医とは、メスを使いたい、手術をしたくて仕方ない、そうでないと仕事をした気にならない人々なのです。だから、すぐに『切りましょう』『摘出しましょう』と言い出す。しかし、患者さんにはその手術が本当に必要かどうか分からないし、その医者の技量がどの程度かも分かりません」 (都内の総合病院に勤める外科医) 医者は「切った後」のことまでは面倒を見ない。それどころか、患者にきちんと説明もせず、「カネのため」に勝手な手術をする医者もいる。 都内で開業するクリニックの院長が言う。

「内視鏡で大腸の検査をするだけのつもりだったのに、『悪性のポリープがあったので切っておきました』と後から言われ、高額な費用を請求されたというケースは少なくありません。

また、『最近、腹腔鏡手術は医療事故の報道が多くて不安なので、開腹手術にしてほしい』と訴えたところ、『なに理屈に合わないことを言ってるんですか』『すぐ終わるし、いいことずくめじゃないですか』と聞く耳をもってもらえない、といった事例も耳にしています」

患者の了解を十分に得ないまま、費用がかかる手術にあえて踏み切る病院や医師は、われわれが思っているよりもずっと多い。一端が、今年6月に千葉県がんセンターで発覚した、19億円もの「医療費不正請求」事件だ。

同センターでは、'09~'14年の5年間の全診療報酬請求約43万件のうち、半数を超える約22万4000件が、不正請求であることが分かった。本来は保険適用外となる一部の腹腔鏡手術を、診療報酬が申請できるとして請求していたケースも多数見つかった。

要するに、患者に「保険が利きますから」と言って高額な手術をどんどん行い、国から不正に医療費をせしめていたということだ。

■足の長さが変わってしまった

医者が腹腔鏡手術や脳動脈瘤の手術をやりたがる背景には、難易度の高い手術の「認定医」制度もある。手術の件数に応じて、学会が医師に「お墨付き」を与えるシステムになっているのだ。

「例えば、がんや心臓の専門で患者の数も多い病院では、すぐに手術には踏み切りません。たくさんの患者を診る必要があるため、余計な手術をしているヒマはないからです。

しかし、患者数が少ない病院はムリに手術をしてしまう。症例数を増やしたい、若い医者に勉強させたい、という病院が少なくありません。実は、誰もが知っている日本トップクラスの有名大学病院でも、手術の患者が少ないうえ、若手が多いので、いらない手術をしょっちゅう勧めてくるところがある。大学病院ですら、信用できないのです」(前出の外科医)

手術の経験を積んで「認定医」になると、その情報がネットや口コミで伝わり、一見の患者が手術を頼みに来る可能性も当然高まる。ムダな腹腔鏡手術や動脈瘤の手術を医者がやりたがるのも、長い目で見れば儲けのため、と言える。
やはり、外科医が「切りたがる」病気のナンバーワンはがんだ。

ある70代の男性は、リウマチの治療で人工関節を入れたのですが、手術後のほうが歩けなくなってしまった。『足の長さが変わってしまって、左右のバランスがおかしくなった。前は痛くなかった腰のあたりまで、電流が走るように痛い』と苦しそうに話していました」

医者に「手術しましょう」と言われたら、本当に自分のためなのか、疑ってみる必要がある。


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