「子宮頸がん」と宣告される人が近年、急カーブで増え続けています。

2011年の子宮頸がんの発見数を1975年と比べると、25~29歳では34倍。

20~24歳では27倍。30~34歳では18倍。

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その後のデータはまだ明らかにされていませんが、

カーブから予測すると、25~29歳では今年(2016年)、

1975年のおよそ60倍もの女性が「子宮頸がん患者」になるはずです。

がんの爆発的ともいえる大流行ですが、がん細胞は、

ウイルスや細菌とは違って、人から人への感染はありえません。

なのに、なぜこんな大流行が起きているのでしょうか。

環境や食物の中の発がん物質が増えた? それとも、

女性たちの生活習慣や行動が、発がんを促している?

本題に取りかかる前に、かんたんな自己紹介と、

僕は1973年に慶應大学医学部を卒業し、

2014年に定年退職するまでずっと、

慶應病院でがん治療に従事しました。

しかし、しだいにがん医療の欠陥や矛盾に気づき、

できるだけ多くの人に伝えたくて、

『患者よ、がんと闘うな』『がん放置療法のすすめ』

『がん治療の95%は間違い』などを出版してきました。

現在は、渋谷にある「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」

で年間2000組のご相談に応じています。

僕は今まで主に、単行本や雑誌など紙のメディアを通して

情報を発信してきました。

いま、がん医療ワールドでおきていること……

新しく認可された抗がん剤や、最先端とPRされている治療法、

著名人のがん闘病ニュース、

僕が見聞きした患者さんの悩みなどをどんどん盛りこみながら、

胃、肺、大腸、乳房、卵巣、前立腺など、

あらゆる臓器のがん医療の実態、問題点を紹介し、

穏やかに長生きする対処法をさぐります。

ではさきほどの、がんの大流行の種明かしをしましょう。

子宮がん検診自体が、患者を増やす「がん量産装置」になっているのです。

2000年以前、子宮頸がんのほとんどは、

不正出血などの自覚症状があって初めて病院に行って発見されていました。

そのころの子宮頸がんの数はとても少なく、

25~29歳では10万人に2、3人しかいませんでした。

ところが無症状の健康な女性が検診をうけると、

子宮頸がんがよく見つかります。

頸がんの進行度は、ゼロ期、1期、2期……と5段階に分かれますが、

検診で見つかるほとんどは、ゼロ期とも呼ばれる「上皮内がん」です。

そして近年、20歳を超えた女性たちに検診がしきりに勧められるようになり、

多くの女性が受診するようになったため、

上皮内がんという頸がんが大量に発見されるようになったわけです。

これらは「本物のがん」ではなく、僕が言うところの「がんもどき」です。

がんもどきとは、一応「がん」と診断されるものの、

そのままにしても転移したり、人を死なせたりしない病変のことです。

検診で発見されるほとんどすべてが、がんもどき病変であるのです。

このように子宮頸がんの発見には“からくり”があるので、

仮にあなたや友人が検診で「子宮頸がんです」と言われても、

ショックをうけたりする必要はないのです。


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