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画像の出典: 転載元

竹下雅敏氏からの情報です。

BRICS開発銀行は、順調に進んでいるようです。

注目すべきは“グローバル経済において、

危機的状況が発生した場合でも、

…資本市場を安定化”することが出来るとの主張です。

要するに新しい経済圏を構築しつつあるBRICS諸国は、

仮にグローバル経済が破たんしても、

ドルを使わない経済に移行するので、

さほどの影響を受けないということです。

もう一つは、彼らがこの先確実にグローバル経済が破たん

すると見ていることです。

日本は早く状況を理解して動かないと、

アメリカと共に大混乱の渦の中に巻き込まれてしまいます。

その辺りのことを、2つ目の記事は実に見事に記述しています。

2本目の冒頭の写真は象徴的です。

オバマは習近平から離れたところに追いやられ、

隣に居るのはプーチン大統領。

何と安倍首相は写真の中に出てこない。

強烈な中国政府からのメッセージです。

プーチン大統領 BRICS諸国に独自の金融機関設立を提案
ロシアの声より抜粋 14/11/15

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© Archive photo: AP/Silvia Izquierdo

15日、プーチン大統領は、オーストラリア・ブリスベーンでの

G20サミットの場を借りて行われたBRICS諸国首脳会談で発言し

「BRICS諸国の開発銀行を設立し、前もって取り決められた

外貨準備をプールしておけば、世界経済が危機を迎えた時でも、

国の資本市場を安定化できる」と述べた。

又プーチン大統領は、次のように発言した―

「BRICS内に独自の金融機関を設立する事に向けた諸決定は、

成功裏に遂行されている。

ブラジル・フォルタレザでのサミットで決まったBRICS発展

・外貨準備銀行作りは、いま完了しつつある。  

銀行の資本金総額は、かなりのもので、2千億ドルだ。  

このようにして我々のもとには、グローバル経済において

危機的状況が発生した場合でも、国の資本市場を安定化する力の

ある共通の金融メカニズムが生じようとしている。」



シルク・ロード・キャラバン仲間外れのレーム・ダック
マスコミに載らない海外記事より抜粋 14/11/15


Pepe Escobar
2014年11月11日

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2014年11月10日、北京APECサミット時の世界指導者集合写真。
オーストラリアのトニー・アボット首相はウラジーミル・プーチン
・ロシア大統領(左端)の背後、
中国の習近平首席(左から二人目) (Reuters / Kevin Lamarque)


北京でのアジア太平洋経済協力会議 (APEC)サミットで起きたこと程、

多極世界が一体どこへ向かいつつあるのか、

これ以上わかりやすい図解はありえまい。

公式写真をじっくりご覧願いたい。

立ち位置の問題だ - しかもここは象徴的意味が豊富な中国だ。

習近平首席と並ぶ上座にいたのは誰かお考え願いたい。

そして“必要欠くべからざる国”のレームダック指導者が

どこに追いやられたか想像願いたい。

世界的なメッセージを発信する上でも、中国は名人なのかも知れない。

1) 北京は、どのような手を使ってでも、中国の構想である、

アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向かって進むだろう。

アメリカが主導する、大企業が編集した、極めて軋轢を生じやすい

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の代わりの、

本当にアジア-太平洋協力を促進する“全員参加型で、

全員が恩恵を得る”貿易協定だ。

2) 習の言葉で言う“全面的な結合”の青写真は用意されている -

ここで、北京はアジア・インフラ投資銀行を立ち上げ、

北京とモスクワは、二番目の超巨大ガス契約 -

今度は西シベリアのアルタイ・パイプライン経由でだが、に本気だ。

そしてシルク・ロード経済ベルトと、21世紀海のシルク・ロード

構築を開始する為に、中国は既に400億ドル以上注ぎ込んでいる。


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2014年11月11日、北京、雁栖湖の国際コンベンション・センター
でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)指導者会議で、
中国の習近平首席(中央)の開会挨拶前に、
各自の席についた世界指導者(Reuters / Pablo Martinez Monsivais)


複数の新シルク・ロード - 高速鉄道、パイプライン、港、

中国が既に中央アジアのスタン諸国中で、建設中で、

ロシア、イラン、トルコとインド洋を結び、

ヨーロッパへと分岐して、遥々ベニスとベルリンにまで至る

光ファイバー・ケーブルと最新式の通信網の複合ネットワーク。

これが、全ユーラシア貿易を念頭に置いた、東アジアを遥かに超えた、

習の“アジア-太平洋の夢”という北京の相互連結だが、

その中心は、中国の他にあるだろうか。

モスクワの欧米から、東アジアへの軸足変換は、

多くのレベルで展開している過程であり、

ここ何ヶ月かで、誰の目にも明らかになっている。

金融については、モスクワは、アメリカ・ドルとユーロへの

ルーブル固定相場を辞めたばかりだ。

アメリカ・ドルは即座に、ルーブルに対して、価値が下がった。

ロシアのVTB銀行は、ロンドン証券取引所を去り、

まさに香港と直接リンクしようとしている

上海証券取引所に移る可能性を発表した。

見えてくる図柄は、ロシアがロシア通貨への投機的/政治的な

動機の欧米の攻撃から積極的に、自らを守ろうとしている姿だ。

ロシア-中国相利共生/戦略的協調関係は、エネルギー、金融、

そして、必然的に、軍事技術面でも、ありありと拡大している。

ユーラシアの世紀と呼ぶものが誕生すれば、

戦略的に、北京とワシントンは対極とならざるを得ない。

ワシントン/ウオール街が、束の間の一極支配を維持する為には

死ぬまで戦うつもりであることを、北京は明らかに確認したのだ。

中国、そしてBRICSは、習が“偉大な権力関係の新モデル”と

規定したものを目指して動いている。

ワシントン/ウオール街の思考様式は“双方が満足できる”

関係ではなく“いずれか一方のみ満足”するものだ。

近視眼的シンクタンクのおかげで、ワシントン/ウオール街

エリート連中は、始まったばかりである21世紀地政学中の

新シルク・ロードの衝撃を想像すらできなくとも不思議はない。

イラク、リビア、シリア、更にそれ以降の“人道的”、

およびネオコン、帝国主義は、大失敗につぐ大失敗と化している。

金融ターボ資本主義は時限爆弾だ。

ロシアと中国は、まだ代替システムを提案してはいないかも知れない。

それでも、戦争の犬たち、憎悪の犬たち、不平等の犬たちが -

吼え続けているうちに、中国-ロシアのキャラバンは進んで行く。

キャラバンの売り物は、爆弾ではなく、ユーラシア経済統合だ。

本当のアジア-太平洋統合は、依然として遥か遠い夢かも知れない。

それでもAPECが、写真で示したものは、「元必要欠くべからざる国」

による地政学的支配の、またもや、華々しいスローモーションでの爆縮だ。




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