「I Like Me」――ジョン・キャンディという、愛されすぎた男の話




文・パンク

先日、ジョン・キャンディのドキュメンタリー映画
『I Like Me(原題:John Candy: I Like Me)』 を観ました。

タイトルがもう、いい。
シンプルで、切実で、ちょっと泣ける。

ジョン・キャンディとの最初の出会い

僕がジョン・キャンディを最初に知ったのは
**『ブルース・ブラザーズ』**で、ジェイクとエルウッドを追いかける警官役。

正直、爆笑するほど面白いわけじゃない。
でも「なんか気のいい変な人だな」という印象だけは、妙に残った。

主役を食うタイプではないけど、
画面にいると安心する人、というか。

「大災難」での嫌な男っぷり

その後、強烈に印象に残ったのが
『プレーンズ・トレインズ・アンド・オートモービルズ(大災難)』。

スティーブ・マーティンと共演し、
とにかく うざくて、空気が読めなくて、ほんとうに嫌な男 を演じている。

これがまた、見事に嫌。

でも今あらためて観ると、途中で語られる

> 「俺のことを馬鹿にすればいい!
でも俺は俺のことが好きだ!」



というシーン。
ここ、ちょっと泣けるんですよね。

笑わせる映画なのに、
ジョン・キャンディの“本音”がにじみ出てくる感じがして。

ベストは「クール・ランニング」かもしれない

個人的に
『クール・ランニング』 の落ちぶれた元オリンピック選手役は、
ジョン・キャンディのベスト映画じゃないかと思っています。

笑いもあるけど、
過去の挫折や後悔を抱えた大人の役が、妙にリアル。

彼の「優しさ」と「影」の両方が、ちょうどいいバランスで出ている。

名脇役としての輝き

ほかにも

**『ホーム・アローン』**の演奏隊の優しいお兄さん

**『スペースボールズ』**の犬(?)役


などなど。

主役じゃなくても、
「あ、ジョン・キャンディ出てる」と思うだけで
作品の空気が少し柔らかくなる。

そういうタイプの役者だったのかもしれません。

まだ観てないけど、観たくなった映画

『おじさんに気をつけろ!(Uncle Buck)』 は未見なんですが、
このドキュメンタリーを観て、かなり観たくなりました。

子どもとのやりとりとか、
絶対いいギャグになってるんだろうなあ、と。

「I Like Me」が描く、繊細な素顔

このドキュメンタリーで印象的だったのは、
ジョン・キャンディがとても 繊細な人 だったということ。

父親を早く亡くしたことが心のトラウマになっていた

自分をどう見せるべきか、ずっと悩んでいた

「太っちょキャラ」ばかり求められることへの葛藤

健康面への不安


スクリーンの中では、
いつも楽しそうに見えたのに。

それでも、仲間には愛されていた

印象的なのは、
ダン・エイクロイド
キャサリン・オハラ
サタデー・ナイト・ライブ 周辺の仲間たちのコメント。

セカンド・シティ出身で、
奢ったり、面倒を見たりする親分肌。

「現場では、みんなに好かれてたんだな」というのが、
すごく伝わってくる。

晩年と、早すぎる別れ

後年は、とにかく映画に出まくって、
正直「これはどうなんだ…」という作品も多かった。

ラジー賞的な評価を受け、
それに傷ついていた様子も描かれています。

そして、若くして亡くなってしまう。
やっぱり、そこはとても悲しい。

日本で、どれくらい知られているんだろう

ふと思うんです。

日本で
ジョン・キャンディを知っている人は、どれくらいいるんだろう。
好きな人は、どれくらいいるんだろう。
そして、このドキュメンタリーを観る人は、どれくらいいるんだろう。

派手なスターじゃないけど、
確実に誰かの心に残る俳優。

成功したけれど、苦難多き人生

成功はした。
でも、悩みも苦しみも多かった。

だからこそ、
「I Like Me」 というタイトルが、
こんなにも胸に刺さるんだと思います。

とてもいいドキュメンタリーでした。


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評価4/5
飛ばし飛ばしでも、途中中断しながらでも観られるのでぜひ!