4月1日に本が出ます。
その名の通り俳句の本です。
句集でも俳句のハウツー本でもありません、俳句を愛する人たちと出会った記録です。俳句をやられている方、俳句に少し興味がある方、俳句を初めてみて一人で作っているけど句会に参加するのは勇気が出ないという方にぜひ読んで頂きたいです。もちろん俳句以外の短詩をやられている方、俳句は全くという方にも楽しんで頂きたいと思っています。下手くそではありますが、日頃から俳句を作るときには身近にあるものを題材に作りたいと思っているので多くの人にとってもなんだか良いなという俳句があると願っています。
もともと好書好日という本のサイトの中で「フルーツポンチ村上の俳句修行〜わかったつもりでごめんなさい〜」という、さまざまな句会(複数の人間が自作の俳句を出し合い、評価、批判し合うために行われる集まり)に参加する連載をまとめたものが書籍化になります。
もちろんそれだけではなく。書き下ろしの俳句や俵万智さん、又吉直樹さんとの対談、俳句をはじめるきっかけ、はじめてからの変化、句会というものに参加し様々な俳句を愛する人と出会った想いを綴っています。
そういった内容は実際に本を読んで頂けたらなと思っています。
ここでは、本には書いていない初めて本を出版する気持ちを書かせていただけたらなと思います。
多分、長い文になると思います。
自分の本が出る。
他の人が本を出しているのは沢山見てきました。やたらと告知をして、ツイートを固定し、自分の本が本屋さんに並んでいることに感動したことを綴り、知り合いに本を配り、「あまりこういうこと言わないんですけど、面白いと思います。」「携わってくれた人に感謝。」皆、同じことを言うなと思っていました。けれど、いざ自分が本を出すとなると、なるほどなと思いました。やはり、そうしたい、同じことを言うだろうなと思います。好きな人と付き合えた喜びの表し方は「嬉しい」で充分な様に。
村上健志といジャンルを見せつけてやる。分かる人には分かるはず。という強欲さは微塵もありません。
誠意を持って作りました。沢山の人の元に届いて欲しい。本の中で協力してくださった俳句を愛する人たちの優しさや面白さが少しでも伝わればいい。と月並みな思いばかりが出てきます。なぜなら、それは建前ではなく本当にそう思うからです。
沢山の人にこの本を知ってもらいたい。
本屋さんには沢山の本が並んでいます。その中から自分の本を選んでもらうのは大変な奇跡です。
本の値段は多くの場合その内容に比例しません。(内容の良し悪しは読んだ人のもので良い作品、悪い作品とは一概に決められないのですが)有名な賞をとった作家の本と芸人が初めて出す本が同じ様な値段で並んでいるのです。なんなら俳句というジャンルの本は少し高いかもしれません。お寿司の様に値段の幅があり、この美味しさでこの安さならというアプローチはできません。
内容に関しては読んでもらうしかないので、さほど語れず。
インフルエンサーになる努力を怠ってきたので、村上がいうならということも期待できません。アピールとはなんと難しいのでしょう。
けれど沢山の方に届いて欲しい。かっこつけずに言えば売れて欲しいのです。
売れるというと金儲けのニオイがして拒絶される方もいるかもしれません。
けれど売れて欲しいのです。お金が欲しくないとは言いません。けれどそういったことよりこの本を出版させてくれた方々に喜んで欲しい、これまで句会で出会った人たちのことを知って欲しい、俳句というものが堅苦しいつまらないものではないことが沢山の方に知って頂けたらと思うのです。生意気なことを言えば、俳句がもっと広まってプレバトで参加した俳句甲子園で出会った俳句に青春をかける高校生たちが俳句が上手でモテるという世界になって欲しいなんてことも思っています。
何を言ってんだ。と自分でも思います。全然本のアピールになっていない気がします。
売れ行きが良くなくても誰かにとって大切な一冊になれば良い。ではなんかダメなんです。いや、良いんです。そういう一冊を目指しています。でもダメなんです。売れるということから目を逸らしてはいけない気がするんです。そんなことを本を初めて出すことになって思いました。本の価値は売上ではないけれど、売れることをはじめから諦めた本にしたくないなって思っています。やはり売り上げが関わって頂いた方の報いになる気がします。買ってもらえるなら、その用途が鍋敷でも良いって思います。そして、間違いでのぞいた俳句を見て、いいかもって思ってもらえたらラッキーです。
「面白ければ売れる」のかもしれません。本はすでに完成しています。自信を持って作りました。でも、数多ある本から手に取ってもらえるのはやっぱり奇跡だって思ってしまいます。だからその奇跡を手繰り寄せるために何かしなければいけないなって思います。その方法が何なんかのはまだ分かりませんが、その一つがこのブログです。煩わしいほどこの本の宣伝を色々とこれからもすると思います。
初めて本が出ることで興奮状態で間違った考えを書いているかもしれません。
どうか、多くの人に届いてくれたらなと願っています。
売れて欲しいことばかり書いてなんかきな臭い感じでしたが、本の内容は皆様の日常が少しでも明るくなればという和やかなものだと思います。
よろしくお願いします。
村上健志
裏面
カバーを取るとこんな感じ
カバーを取った裏面。
行間に次頁の影夕立晴
という自作の俳句をモチーフにした写真です。
写真で使わせて頂いている本は大槻ケンヂさんの
『グミ・チョコレート・パイン』です。