何度も本当にごめんなさい。

 

この手紙が君に届いてなくて本当に良かったと思っています。もし届いていたなら、君に何度もありがとうとごめんねを言わせる事になっていたでしょう。

 

でも安心してください。これで最後の手紙になります。

 

僕が今までラブレターに書かなかった事を最後に書こうと思います。

 

ずっとあなたが好きでした。本当です。過去形になりました。

 

 

思えば沢山の話をしましたね。君が世間の茄子の評価が低いと怒っていた事。そうめんを茹でる量は一束なのか二束なのか未だにわかっていない事。頼んでもないのにされるアドバイスでためになったことが一度もないと言う話。そんなどうでもいい話ばかりを思い出します。

 

 

どうでもいい話をする度に、僕たちは大切な関係になっていつか君は僕を好きになるんじゃないかと思っていました。

 

 

それなのに君は、出会って間もない男と付き合って恋人になりました。

 

 

おめでとうと言ったのは、友達だよね言った約束を守る為についた嘘でした。

 

君の好きな色が青ってことも知らないであろう男が、君に「好き。」と言われ「好き?」と聞かれている事が許せませんでした。君の作ったシチューに入ったハート型にかたどられた人参が溶けてしまい何の形か分からなくなってしまったことを笑い合っている二人を想像して、その男が火傷することを願っていました。

 

その男と君が別れたと聞いた時、もしかしたら自分にも、、、この寂しさに漬け込んで、、と思いましたが君は僕を好きになる様子はありませんでした。

 

一度、酔っ払って「もしかして俺が好きとか言ったらどうする?」と聞いた時、君は爆笑をしていました。僕も合わせて笑いましたが本当は思っていました「ふざけんなよ。こんだけ話てて楽しいんだから一回くらいお試しでもいいから付き合えよ。一回付き合ってダメならまた友達に戻ればいいだけだろ。大して知りもしない男とは付き合ってセックスだってしたんだろうから、なんで俺とはダメなんだよ。」と

 

最低ですね。やっぱり僕は君と付き合う資格なんてなかったんだと思います。友達でいるという約束も守れず、君の味方でいるという約束も守れませんでした。

 

ラブレターに書けなかった事を書きます。

 

君のエプロン姿が見たかった、シチューを作る君にちょっかいを出し怒られてもやめずそのまま抱き合いたかった。好きと言ってはキスをする。キスをしては好きと言う。好きキスミルフィーユを朝まで続けたかった。

 

君に好きと言って欲しかった。

 

ラブレターに書かなかった事を書きます。

 

幸せになって下さい。