又吉さんが毎月一回行っている『実験の夜』というライブがあります。

そのライブは、毎月色々な企画を実験的に行なっているのですが、数年前に涙活をテーマにライブ中に涙を流せるかという企画に出演させていただきました。

その時に僕は自分への手紙を書きました。その手紙をこの前部屋の片付けしている時に見つけたので、載っけたいと思います。
長くなりますがすいません。




僕へ

あなたは、友達が欲しくて仕方ない人ですよね。

楽しいから、寂しくないから、いいえ違います。

友達がいないなんて言ったら、世界からはみ出してしまいそうで怖いからです。友達も出来ないほど、僕の性格に問題があると思われるのが許せないからです。

小学生、中学生の頃、分厚い眼鏡をかけた僕はイケていない学生でした。だからといっていじめられていたわけでもないし、学校に行けば誰とでも話す事が出来ました(女子とはあまりしゃべれませんでしたが)一緒に釣りに行ったことだってあります。

高校でも大学でも心からバカ笑い出来る同級生が周りに沢山いました。

でも、僕は同級生に対し少し心の中で自分の方が優っていると思っていました。実際には同級生の方が運動ができ、流行の音楽やファッションに敏感で、早く童貞を捨てていて確実に負けていました。(勝ち負けの指標はそんな事ではないのですが、当時はそういったことで人をランク付けしていました。)

けれど、上に立ちたい僕は、同級生達の悪い所を探していました。

アイツは、クラスの中では足が速いがプロになれるわけではない。アイツは女子に凄いウケているけれど、それはテレビの中の芸人のギャグを真似ているだけだ。フランス映画を観ているとか言うアイツは映画の内容に興味なんてないくせにカッコつけてフランス映画のビデオをオブジェとして部屋の見えやすいところに飾っているだけだ。という風に。そうやって、心の中で馬鹿にして上に立ったつもりになっていました。

それは、優越感に浸りたかったからではなく(多分にその理由もあったと思いますが)

人に優しくなりたかったからなのです。

僕は、少し見下せる位の人にしか無償の愛を捧げるというのか、優しくできない人間なのです。優しさを施すものと勘違いしていました。

そんな人間ですから。ある一定の期間をよく一緒に過ごした人達はいても、今も付き合いのある学生時代の同級生は一人もいません。

僕に友達と胸を張って言える人はいないのかもしれません。

そして、芸人になった僕の周りには同期、先輩、後輩が沢山います。ただこの人達を友達と呼ぶことはありません。先輩は先輩で後輩は後輩で同期は同期です。

僕に友達はいないままです。

ただ、いいか村上。

お前には、美味しいものを食べた時にあの人にも食べさせたいと思い浮かぶ顔があります。嫌な事があった時にアドバイスをしたり「そういう事言うな」ではなく、一緒に愚痴を言ってくれる人がいます。僕なんかが思いつかないような面白い事を言える人が、僕のくだらなさで笑ったりしてくれます。

僕には友達ではないかもしれないけど大切な人がいます。仲間がいます。

あなたも誰かの大切な人でありますように。





こんな事を書いていました。
涙を流そうとしたライブでは、泣こう泣こうとし過ぎて全く泣けず、カラカラの目でした。

見返すと、自分でもよく分からないとこもありました。

未だに友達はいないというか。友達というものの定義が分からず、けれど仲良しは沢山いるなと思っています。しかもラインを見れば無条件に連絡先を交換した人を友だちと分類してくれてることに気づきました。

よっしゃー、友達ゲットー!!