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企業再生考

企業再生の観点から日々の思いを徒然なるままにつづります。

本日GMのレガシーコストの負担の話しがでましたので、

どのようにすればレガシーコストを切り下げうるのか、という観点からレポートしたいと思います。


そこでまず考えなければならないのは、レガシーコストには、「現在働いている従業員の将来の退職金」と、「既に会社を退職しており年金を受給している方への年金」の2つの種類があるということです。


前者については、退職金規定の変更で減額を目指す、ということになろうと思いますが、後者がやっかいであり、GMやJALにて問題になりました。


まず年金については年基基金として会社とは別法人により運営されている場合と、規約型といって会社が年金資産を信託会社等に預託している場合の2つの形態があります。


そして、会社を清算する場合には、年金基金や年金資産を各人で分割する、ということになろうかと思いますが、

会社を再生させる、存続させるということになりますと、年金の解散をするということは容易ではありません。なぜなら、会社は積立不足額を全額拠出することが求められるからです(当然そのようなキャッシュアウトは再生企業にとっては非現実的でしょう)。


よって、年金制度自体は存続させるということになると、年金額の減額自体は年金受給権者の財産権の侵害にあたりますので、基本的には年金受給権者が自主的に減額に同意しない限り、減額は難しいということとなります。


一方、前者の退職金の切り下げは、一般的に「退職金の不利益変更」と言われます。

まず就業規則の変更の場合は、個別の従業員の同意がなくても次の要件を満たせば、変更可です。

1.変更後の規則の従業員への周知

2.変更内容の合理性

①その変更の従業員にとっての不利益の程度

②変更の必要性

③変更内容の相当性

④労組との交渉の状況

さらに、個別の事情も勘案されるようです。たとえば、法的整理の枠組みを使う場合には次のような判例があります。会社更生手続き中の会社が退職金の減額をした上で15年間の分割払いに・・・・。


ここの実情に応じてとりうる再生スキームと、それに合わせた退職金減額の選択肢を十分に検討することが重要なのですね。いやー難しいです。



百貨店の特集を中断してGMの記事に着目します。

GMが18日に新規株式公開を申請しました。再生のポイントを列挙します。


①労働協約の見直し:年金、医療費の負担の軽減

②北米約10工場の閉鎖により工場の稼働率向上37%→93%。損益分岐点が低下。

③政府による買替制度を背景に北米の需要回復

④500億ドルの公的支援(ホワイトハウスに自動車産業再生チーム)

⑤強力なリーダーシップをもった経営者の出現


などなどです。このあたりをポイントにするとDDレポートの書き方にも

参考になりますね。


たとえば

①労働協約の見直しのために何が問題になるかをポイントとして記載する

②工場別稼働率と工場別固定費の提示

③政府の需要促進に基づく需要回復動向についての精緻な事業DDの実施

などが思いつきます。


なお①、②については具体的にどのようにしたのかを研究する必要がありますので、

後日レポートします。






百貨店226店舗のうち、増収は6店舗のみ。そのうち3店舗は閉店セールスに伴うもの、残りは近隣店舗の閉鎖に伴う増収ということでした。各社打開策を見い出せず苦労し、さらなる値下げ販売で、デフレスパイラルに・・・。

日本の経済状況の象徴のようでもあり、物悲しくなってしまいます。

明日はそうした百貨店においてどのような再生策があるのか、野村総研のレポートから紹介したいと思います。